脳と腸はつながっている
今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。
ようやく100記事目を迎えることができました。
ブログ開設から一体何年経過したことやら。
まそれはともかく、
寅丸塾の管理人としてちょっとでも自分の成長に向けて、自分の課題と向き合っていきたいです。
腸管免疫について考える
先日、こんな論文を見つけたので読んできました↓
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2020/6/12/200612-3.pdf
有名な英論文雑誌「ネイチャー」に投稿されているだけあって、難解な言葉が飛び交います。
何が書いてあるかと言うと・・・
人の腸には免疫反応を制御する細胞があり、
腸は異物(=食物)に対して自分を守らなければならないために常に免疫反応をコントロールしている。
大事なのは免疫反応が過剰になりすぎないようにブレーキをかける調整役が必要で、
それを「迷走神経」という自律神経が
「もうちょっと強めて」
とか
「もうちょっと弱めて」
という感じに内臓の感覚を逐一脳に伝えているために、
正常ならば円滑にブレーキとアクセルが上手く機能している。
しかし、
迷走神経をわざと切断したマウスでは、
ブレーキがバカになり免疫反応が弱まらないために自分の腸を攻撃してしまい炎症を起こしたり大腸炎が増悪した。
このことから、
腸内環境と脳が密接に関係していることが分かり、
昔から言われてきた「腸は第2の脳」のメカニズムが解明された。
腸内環境の変化によって生じた「現代病(いわゆるメタボや自己免疫疾患など)」の解明につながることを期待する。
というもの。
リハビリテーションとの関連
さて、それではこれらの情報がリハビリテーションとなにか関係しているのか?
という疑問が浮かび上がってきます。
人体には「隔膜」という、カラダをパーツごとに区切る「間仕切り」のようなものがあります↓
この隔膜についてはまた改めて説明することにしますが・・・
動物は生きていく上で、
あるべきものはあるべき場所に安定させておく必要があります。
身体の中に間仕切りという壁があるのも、心臓や胃、肝臓などのパーツがあちこちに移動するのを防ぐために絶対に必要なものです。
しかし、完全に区切ってしまうと各パーツが連携できませんので、血管や神経、リンパなどが壁をすり抜けて臓器同士をつないでいます。
この壁に相当するものの一つが「横隔膜」です。
以前にも紹介しましたが、
横隔膜は胸とお腹を隔てる壁であると同時に筋肉でもあります。
「腹式呼吸」をする際、
この横隔膜が上下に動いて
肺に空気を入れる
ポンプのように押し出す
という作業をしてくれます。
しかし、
肺や内臓など様々な内臓関連の疾患を抱えている方
姿勢が悪く肩で息をしている方
高齢者や虚弱な方
などでは、横隔膜がしっかり働いてくれず筋肉自体が硬くなっている可能性が大いにあります。
すると、
壁をすり抜けるはずの神経や血管が硬くなった組織に圧迫され、
完全にとはいかないまでもブロックされてしまう
という現象が起こりかねません。
すると、
神経の連絡がブロックされるために腸の状態が脳に伝わらない
というトラブルが生じてきます。
つまり、
腸の免疫反応をモニタリングして適宜ブレーキをかけるシステムが機能せず、
免疫反応が抑制されなくなり過剰に働いた結果、
自分の身体を攻撃し始めることで炎症を引き起こす
=自己免疫反応
が生じる可能性があります。
もしこのような仮説が事実であれば、
呼吸のしかたや姿勢、身体的なパフォーマンスを高めるエクササイズを行うことで問題解決につながるかもしれません。
特に、
不調を来たすと自分の身体の感覚がぼやけている方は非常に多い印象があります。
例えば、
「自分の体重を足の裏全体で支えているか」
「胸を膨らませる呼吸(胸式呼吸)とお腹を膨らませる呼吸(腹式呼吸)を切り替えられるか」
「目を瞑ってラジオ体操の動きができるか」
など。
現場で遭遇するクライアントは
身体の不調を「歳のせい」「病気のせい」にはするが解決のための努力(医師の言いなりになって薬を飲むことは努力とは言わない)は殆どしていない人が圧倒的に多く(あくまでも個人的な経験則)、
リラックスする(身体の力を抜いたり深い呼吸をする)のが下手だなという傾向があります。
そもそもこのような問題を抱えている方が病院に来られても、内科で対応するだけでリハビリテーションが依頼されることはまずありませんが・・・
いずれにしても、
身体に不調を来たしている人ほど、薬をもらいにいくのでなく身体の動かし方を学ぶ必要があるんじゃないかと思っています。
もちろん、
薬でコントロールでき改善した方もたくさんいらっしゃる訳ですから、それが第1選択であることは分かっております。
それを踏まえて、
クライアントが納得できる、もしくは主体的に参加できる問題解決法を模索することは非常に重要だと感じております。
今日の記事はここまでです。
今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。