週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

痛みとコア・スタビリティの関連

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道で唯一の疼痛治療専門家 のブログへようこそ!

 

 

前回から体幹をテーマにした記事を書いています。

 

おさらいすると・・・

 

人間の運動は随意運動姿勢制御に分けられ、

何気ない動作一つにも随意と姿勢 両者が常に身体を制御しています。

 

リハビリテーションの対象者の多くは姿勢に関わる機能不全がメジャーで、

それを随意運動によって補うために機械的なストレスを蓄積し局所的な痛みや動きの非効率性が出現してくるわけです。

 

したがって、

対象者が痛みから解放され円滑な運動を遂行出来るようになるためには姿勢制御にフォーカスしたトレーニングが有効であることが多い

といった結論で締めくくりました。

 

 

姿勢が重要だってことはなんとなく伝わったけど、具体的にどうすればいいんじゃい?

といった声が聞こえてきそうですが、

この記事では姿勢制御の要となるコア・スタビリティについて解説していきます。

 

 

 

ところで、人間の骨格筋は

関節を動かす役割を持つものと、

関節を制動する役割を持つものに分けられます。

 

ざっくり言うと

関節を動かす筋肉をアウターマッスル

骨と骨をつなぎ止めて安定を保つ筋肉をインナーマッスル

と呼びます。

 

 

したがって、

人間の身体はインナーマッスルが骨と骨の位置を適切に保ちながらアウターマッスル関節を動かすことで一定のスタビリティ(安定)を確保します(下図)。

 

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急に図のクオリティが下がったことはあまり気にしないでください・・・

 

仮にインナーマッスルが存在せずアウターマッスルだけで運動を行おうとすると、

右のように筋肉の付着部にのみ強い牽引力が発生し、

その間にある構造体へのストレスが生じて骨同士の衝突から痛みや損傷へと繋がることが容易に想像できますね。

 

 

ということで、

我々が体を捻ったりしならせたりと、脊椎(背骨)を動かしても1つ1つの骨の位置がズレずに協調的な脊椎の動きが再現されるのは、

インナーマッスルが関節を安定させているおかげであることが分かります。

 

 

そもそも

コア=中核・核心

という言葉が示すように、

身体の中心に相当する下部体幹インナーマッスルが家で言う基礎に相当するわけで、この部分を構成する筋肉をまとめてコア・スタビリティと呼んでいます。

 

具体的には、

腹横筋・多裂筋、骨盤底筋群、そして横隔膜という4種類です。

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筋肉の名称はともかく、

お腹という三次元的な空間に上下左右前後から圧をかけて(=腹圧)上半身を乗せる土台として機能させている訳です。

 

以前こんな記事を書きましたが、

toratezza0316.hatenablog.com

 

身体を支えるという働きは「固める」ことではなく、衝撃を逃がすことで損傷から守る必要があるわけで、

弾性と支持性を合わせ持った状態です。

 

 

まとめていくと

コア・スタビリティとは下部体幹インナーマッスルであり、適度な腹圧を調整してあらゆる身体の円滑な動きを作り出す土台である

 

老化や外傷などでインナーマッスルが疲労しアウターマッスルに依存した状態が続くことで微細損傷が蓄積し、痛みという現象が出現する

 

と結論付けます。

 

 

次回の記事では、筋膜的な連結や具体的なエクササイズについて触れていきます。

 

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

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