週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

病院の呪縛を抜け出したセラピストが次のステージで戦うための修行と広報活動

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※今日は臨床的な話はお休みして、ライフスタイルの変化について報告しますね。

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8月になり、2ヶ月間の有給消化を経て一時失業者となった訳ですが(笑)、

先日無事に個人事業主の手続きができました。

 

といっても紙切れ一枚提出しただけですが・・・

 

また、

元々小心者で慎重な性格柄、会社員でなくなった後本当にやっていけるのか?

などと、この一年何度も自問自答してきました。

 

世の中にはたくさんの自営業の方がいらっしゃいますが、

自分の強みを生かして色んな形で世の中に貢献されている事業主の方を心から尊敬します。

自分もそうなれるよう、気分新たに身を引き締めて行きます。

 

 

なお、

これまで病院勤務しか知らない私が、自分の強みを生かすにはなんと言っても痛みを抱えた方の集まる環境が最高の修行の場かつ宣伝の場になります。

 

 

そこで私が選んだ道は、

老人保健施設で週3回アルバイトをしながら残りの日数で事業を展開する

という生活。

 

 老人保健施設とは、

一般的に「老人ホーム」と括られる施設の1つで

病院をあちこち移った後の実質的な終の住処になったり、家族の介護負担を和らげるために一定期間高齢者を受け入れる、自宅生活が出来ていても外出の機会がない高齢者に外出と交流の機会を与える場であったり、

と役割は様々です。

 

そして、

施設の利用者の殆どが、身体に何かしらの痛みを抱えています。

 

 

そんな環境に早や1ヶ月以上身を置いて感じたことは、

 

やはり痛みの治療に年齢は関係ない

 

という事実。

 

 

もちろん高齢な方ほど身体的な問題が多岐に渡る傾向にあるため、一筋縄ではいかないと感じます。

 

 

しかし、

繰り返し接していく中で

「最近脚が軽くなったよ」

「起き上がるのが楽になった」

「夜中のこむら返りがなくなった」

 

と利用者に確かな変化が現れています。

軒並み80歳以上でいずれも年単位で腰痛や膝痛が慢性化しているような方ばかりです。

 

 

現時点での課題は

重症な方ほど優先順位を明確化すること

施設の運営理念に従って自分の役割を全うすること

です。

 

 

新しい仲間ができ、自分の意思に共感してくれる人も増えてきました。

これからが踏ん張りどころですね。

 

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変形性膝関節症はどうしようもないものだと諦めているあなたへ

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病院の中で仕事をしていた頃は、結果が出ようが出まいが目の前から顧客がいなくなることはないし、

放っておいても医学的管理の時期を脱することで自然回復する場合も多いため、

はっきり言って「ぬるま湯」な現場でした。

 

それくらい地域には身体に問題を抱えた方が多くいらっしゃるし、勉強不足な専門家まがいのセラピストが溢れていると断言できます。

 

 

それはさておき、

今日の記事は変形性関節症という、専ら高齢者の多くが抱える痛みの問題について触れていきます。

 

 

以前もこんな記事を書きましたが・・・

toratezza0316.hatenablog.com

 

 

皆さんも、時々「よくこれで歩けるな」というくらい脚が変形し、正面から見ると「O(オー)の字」型の人(O脚)を見かけたことがあると思います。

 

そんな方を見かける度に、

長年頑張ってきた方なんだなと思いますし、実際に話を伺うと大抵苦労話が出てきます。

 

で、

何に困っているかと聞くと、

ほぼ全員が「膝が痛い」と答えられます。

 

ただ、

膝という明確な症状があったとしても他の部位は正常に機能しているのかと疑い、検証していくことが痛みを解釈する第一段階です。

 

なお、

膝の軟骨がすり減っているとか、油が切れているとか、

お医者さんが必ず言うであろうどうにもならない構造の問題についてここで触れることはしません。

 

 

人間の歩き方は十人十色で、その人にとっての正解・不正解は様々ですが、

重要な指標の一つに足の裏の硬さがあります。

 

 

あなたは歩くとき、どこに体重がかかっていると感じますか?

 

 

O脚の方の殆どが、骨盤から足部に位置する外側の筋肉が異常に引き伸ばされ、それを補うために拇指(親指)の付け根を押し付けたような歩き方をされる傾向にあります。

 

ちょうど車でいえばタイヤのキャンバー角を外側に向けた状態でしょうか。

 

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タイヤを外側に張り出すことで車はコーナーリングの性能が上がりますが、

タイヤの接地面積は内側に集中して結果的に磨耗しやすい状態となります。

 

 

つまり、

膝が痛いと仰る方の足底面は局所的に過剰なストレスに晒され、硬くなって短縮している組織が高頻度に見つかります。

 

その代表的なものが後脛骨筋です。

 

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この筋肉は脛から足底に伸びており、足の裏を床に接地するために重要な働きをするインナーマッスルです。

 

これが過剰に緊張し弾性を失ってくると、

床面に対して足部を押しつけるようにして体重を支えようとする

というパフォーマンスの変化が生じてきます。

 

 

つまり、床からの衝撃が

足底⇒下腿⇒膝

へと吸収されることなくダイレクトに伝達し膝の症状として出現してくる

という可能性が考えられます。

 

 

したがって、後脛骨筋の緊張を取り除く作業を介して床面に対する足の裏の使い方を制御する作業が膝へのストレスを減らす戦略になり得る

という結論に至ります。

 

あまり細かいことは端折りますが、

ポイントは後脛骨筋の終点が親指の付け根に相当しているということです。

 

自分の足の裏で親指の付け根の辺りを押さえてみて痛みを感じるようなら、

少なくとも後脛骨筋の筋疲労があるということです。

 

実際の治療では後脛骨筋を外から滑走させる操作を加えることで膝への負担が軽減し、明らかに骨関節の構造に問題のある患者さんでも「足が軽くなった」と仰います。

 

 

あなたがもし膝や脚全体に違和感を感じているのであれが、足の裏に注目してみることで何か変化が得られるかもしれませんね。

 

 

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あなたの股関節は柔らかい?

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以前の職場から離れてもうすぐ2ヶ月が経とうとしていますが、

その間にもたくさんの仕事をさせていただき、新しい生活パターンができあがりつつあります。

元々の家事スキル自体はそこそこベテランのつもりなので、

主夫として妻のサポートをしつつ、事業主としての活動もしっかりこなしていきたいところです。

 

 

さて本題ですが、

高齢者に限らず痛みを抱えた多くの顧客の特徴として、

股関節が病的なレベルで硬くなってる

という傾向があります。

 

 

股関節は肩の次に可動性(動きの自由度)の高い関節ですが、

それと同時に荷重関節であるために高い支持性が求められる部位であることは間違いありません。

 

 

したがって、

外傷や老化などで骨盤周囲の組織にトラブルが起こると、

人間は身体を支えるという機能を維持するため必然的に可動性を放棄して支持性を優先します。

 

つまり股関節を跨ぐ筋肉を固めることで安定を得る訳ですね。

 

 

股関節を覆う筋肉は以前にも紹介しましたが、

ここでは腸骨筋に注目してみます。

 

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腸骨筋は骨盤の内面に張り付いており、

いわゆる「もも上げ」をするときに働く筋肉です。

 

ただ、

以前インナーマッスルとアウターマッスルの関係性について触れたように

股関節を安定させるために働くのが腸骨筋

実際に股関節を引っ張り上げるのが大腰筋

とざっくり分けたとき、

腸骨筋がインナーマッスルとして適度な緊張状態であるかどうかが重要になります。

 

 

農作業など、中腰やしゃがんでの作業が習慣化している方の腸骨筋は「常に縮んだ状態」となる訳ですが、

それが長期化すると当然腸骨筋が過度に緊張し骨盤を前に倒そうという作用が働き、

結果腰が曲がってくる

という現象へと移行します。

 

 

臨床上、

「背筋を伸ばして!」

と指示するとその瞬間は伸ばせるがすぐに腰が曲がってしまう

という現象をよく観察します。

 

腰が伸ばせないという方の多くが、

コア・スタビリティが機能する以前に腸骨筋が伸びないせいで股関節自体が過度な緊張状態となり姿勢が保てない

という可能性があります。(コア・スタビリティについてはこちら↓)

toratezza0316.hatenablog.com

 

 

そこで、

骨盤の内側を押さえて(=腸骨筋を正確に捉えた状態で)股関節を動かしていただいたたとき

「軽く感じる」

「脚が開きやすい」

「腰が伸びやすい」

など、何か変化を感じるようなら、

ほぼ間違いなく腸骨筋のトラブルがあると見てよいでしょう。

 

 

「股関節を柔らかくしましょう」

とアドバイスする事は簡単ですが、ここでもインナーマッスルの柔らかさが重要な意味を持ってきます。

 

なお、

腸骨筋を触れる部位はベルトを留める腰の出っ張りの位置から

グッと内側に指を引っ掛けてみて、

この時点で痛みを感じる場合はしばしば押さえながら股関節を色んな方向に動かす習慣をつけると有効なストレッチになりますよ。

 

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支える力をつけるとは?

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ここのことろ優先事項が他にあり更新が遅くなりましたが、

先日から繰り返し強調している体幹シリーズです。

 

 

人間の運動において随意運動姿勢制御の両者が常に動員されており、

特に下部体幹インナーマッスルが担うコア・スタビリティというシステムが身体の土台として機能していることが効率的な運動に不可欠である

という内容をお送りしてきました。

 

もう一度コア・スタビリティの構成要素を紹介しますと、

腹横筋

多裂筋

骨盤底筋群

横隔膜

です。

 

筋、筋、筋・・・と来て「膜」が混じってますが、

横隔膜は最も重要な呼吸筋の1つで、呼吸に連動して常に上下に動くことで胸郭や腹腔の圧力を調整しています。

 

 

人間は進化の過程で姿勢と肩こりや腰痛との戦いを強いられるようになったわけですが、現代人はライフスタイル自体がハイリスクなものになってきています。

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こうしてパソコンに向かっている自分の姿勢も人のことは言えないかも知れませんが・・・

それはさておき、

ここでは「多裂筋」に焦点を当てて話を進めていきます。

 

 

そもそも多裂筋なんて聞いたこともない方も多いでしょうし、

セラピストですら気にしたこともない

という印象が少なからずある組織ですが、

すでに紹介したように姿勢制御における重要なインナーマッスルの1つです。

 

 

前回の「下手な絵」で解説したとおり、

姿勢をつくる主要な構造体は間違いなく脊椎です。

toratezza0316.hatenablog.com

 

多列筋の役割は関節を動かすことよりも適度な緊張を持続させて上下隣同士の脊椎(椎骨)を安定させることが主体ですが・・・

何せインナーマッスルなために他の筋肉(脊柱起立筋)に覆われ背骨の上からでは触れにくい筋肉です。

 

多裂筋は縦長で下の方ほど発達し、

骨盤の後ろの面に広がって付着していることから、

骨盤との連結が非常に強い筋肉であるとも言えます。

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腰痛を抱える方の多くがこの骨盤の後面辺りに圧痛を認める(太矢印の部分)ことから、

この付近を押さえてみて痛みが出る方は、この筋肉のトラブルを疑ってみることも重要です。

 

 

高齢者に限らず外傷後の方や日常的に同じ姿勢を長時間続けている方など、

体幹を捻る動き(回旋)や横に倒す動き(側屈)をしていただくと軒並み

「全然動かん」

もしくは

「右の方が回りやすい」

など、何かしらの違和感を訴えるという現象がしばしば確認できます。

 

そして、

多列筋の骨盤付着部辺りを押さえてもう一度体幹を回旋や側屈動作をしてもらうと、

「さっきより回しやすい」

「左が軽くなった」

といった変化が高頻度に生じます。

 

 

理屈としてはインナーマッスルである多列筋に外から圧を加えることで脊柱の安定性が一時的に向上し、アウターマッスルである起立筋の負担が減り効率的な筋出力を発揮することができる

ということになります。

 

 

もしあなたにこの現象が当てはまるなら、

多裂筋の慢性的な疲労や萎縮、緊張が動きを阻害している可能性が高いです。

 

そして、

骨盤と連結しているということは股関節の柔らかさにも強く影響される

ことが分かります。

 

 

繰り返し述べていますが、 

姿勢を維持するということは瞬間的な強いトルクではなく持続的な出力が求められる

=弾性と支持性を確保することが絶対的な優先課題になります。

 

したがって、

トレーニングの目的は背中から股関節にかけての動きを軽くすること

が課題になってきます。

 

いわゆる「腹筋運動」のような表面の筋肉を使う運動よりも、

呼吸が止まらないように背中やお尻を引き締める姿勢を意図的につくることも有効です(↓例)。

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実際のセルフエクササイズはセラピストによる鑑別と指導の元、というのがセオリーでしょう。

 

今回は多裂筋についてざっと紹介してきましたが、次の記事ではまた別の視点で体幹について語っていければと思います。

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

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痛みとコア・スタビリティの関連

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前回から体幹をテーマにした記事を書いています。

 

おさらいすると・・・

 

人間の運動は随意運動姿勢制御に分けられ、

何気ない動作一つにも随意と姿勢 両者が常に身体を制御しています。

 

リハビリテーションの対象者の多くは姿勢に関わる機能不全がメジャーで、

それを随意運動によって補うために機械的なストレスを蓄積し局所的な痛みや動きの非効率性が出現してくるわけです。

 

したがって、

対象者が痛みから解放され円滑な運動を遂行出来るようになるためには姿勢制御にフォーカスしたトレーニングが有効であることが多い

といった結論で締めくくりました。

 

 

姿勢が重要だってことはなんとなく伝わったけど、具体的にどうすればいいんじゃい?

といった声が聞こえてきそうですが、

この記事では姿勢制御の要となるコア・スタビリティについて解説していきます。

 

 

 

ところで、人間の骨格筋は

関節を動かす役割を持つものと、

関節を制動する役割を持つものに分けられます。

 

ざっくり言うと

関節を動かす筋肉をアウターマッスル

骨と骨をつなぎ止めて安定を保つ筋肉をインナーマッスル

と呼びます。

 

 

したがって、

人間の身体はインナーマッスルが骨と骨の位置を適切に保ちながらアウターマッスル関節を動かすことで一定のスタビリティ(安定)を確保します(下図)。

 

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急に図のクオリティが下がったことはあまり気にしないでください・・・

 

仮にインナーマッスルが存在せずアウターマッスルだけで運動を行おうとすると、

右のように筋肉の付着部にのみ強い牽引力が発生し、

その間にある構造体へのストレスが生じて骨同士の衝突から痛みや損傷へと繋がることが容易に想像できますね。

 

 

ということで、

我々が体を捻ったりしならせたりと、脊椎(背骨)を動かしても1つ1つの骨の位置がズレずに協調的な脊椎の動きが再現されるのは、

インナーマッスルが関節を安定させているおかげであることが分かります。

 

 

そもそも

コア=中核・核心

という言葉が示すように、

身体の中心に相当する下部体幹インナーマッスルが家で言う基礎に相当するわけで、この部分を構成する筋肉をまとめてコア・スタビリティと呼んでいます。

 

具体的には、

腹横筋・多裂筋、骨盤底筋群、そして横隔膜という4種類です。

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筋肉の名称はともかく、

お腹という三次元的な空間に上下左右前後から圧をかけて(=腹圧)上半身を乗せる土台として機能させている訳です。

 

以前こんな記事を書きましたが、

toratezza0316.hatenablog.com

 

身体を支えるという働きは「固める」ことではなく、衝撃を逃がすことで損傷から守る必要があるわけで、

弾性と支持性を合わせ持った状態です。

 

 

まとめていくと

コア・スタビリティとは下部体幹インナーマッスルであり、適度な腹圧を調整してあらゆる身体の円滑な動きを作り出す土台である

 

老化や外傷などでインナーマッスルが疲労しアウターマッスルに依存した状態が続くことで微細損傷が蓄積し、痛みという現象が出現する

 

と結論付けます。

 

 

次回の記事では、筋膜的な連結や具体的なエクササイズについて触れていきます。

 

 

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姿勢が痛みの改善に役立つ!?

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ブログを始めて半年経ちましたが、やっと記事を50個書くことができました。

多くのブロガーさんの記事もたくさん拝見し、皆さんとてもエネルギーの要る作業を続けているなと感じました。

 

そこで、

1つの記事を長々と書くことよりも伝えるべきことを明確にして、

数回に分けてお伝えしていくという方法も導入してみようと思います。

 

 

 

ここではセラピストにとって体幹の重要性について言及していきます。

やや難しい表現も含まれますが、かみ砕いて説明できるかは自分の表現力次第です・・・

 

 

さて、

あなたがもしセラピストなら、次の質問には明確に答えられなければなりません。

 

 

 

 

 

「人間の運動を2つに分けると?」

 

 

 

 

 

これに対する私にとっての正解は

  • 随意運動
  • 姿勢制御

の2つです。

決して「手の運動と足の運動」ではありません。

 

 

随意運動は「コップを取ろう」とか「脚を上げよう」といった意思に基づいた運動のことで、

平たく言うと「目的のある関節運動」です。

 

 

一方、

姿勢制御は意思とは関係なくオートマチックに機能している要素です。

例えば「座っているときの背筋の持続的な収縮」や「手を伸ばしたときの重心の変化に対するバランスの取り方」など、

体幹を中心とした「支える働き」が主体です。

 

 

つまり、

我々が違和感なく高いところに手を伸ばしたりボールを蹴ったりと随意的な運動を円滑に遂行できるのは、

それを支えてくれる不随意的な姿勢制御が機能してくれているためだと分かります。

 

 

専門的な表現をすると

随意運動は外側運動制御系

姿勢制御は内側運動制御系

 

といい中枢神経系から出力される神経経路自体が異なっており、

2つの経路は別々のものではあるけれども

協調的に機能することで効率のよい運動がつくられている(↓下図)

この事実に基づいてリハビリテーションは展開されていくことが望ましい訳です。

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高齢者や外傷後などで身体構造に変化を来たした対象者の多くが

「脚が弱った」「背中が曲がった」

などの問題を訴えらますが、

これに対して「随意」と「姿勢」のどちらに問題があるのか?

という疑問を持つ習慣が求められます。

 

 

経験上、

姿勢制御が機能せず随意運動によって代償している対象者が圧倒的に多いです。

 

彼らは客観的には動けているけれども協調的でなく、オートマチックに制御するべきところを随意的に(=力むことで)支えています。

同じ部位への繰り返される機械的なストレスから「痛み」を感じるようになります。

 

 

それを解決するには姿勢に関わる要素の改善が必須です。

 

つまり、

姿勢が安定する

→最適な筋出力を調整出来るようになる

→代償的な力みがなくなる

→局所的なストレスが改善し痛みが軽減する

 

といった具合に、運動の効率を上げることで結果的に痛みが制御されます。

 

 

リハビリテーションにおいて、

現象として筋力が低下している対象者の問題を随意運動と姿勢制御のパワーバランスの問題と捉えることで戦略が変わってくることが分かります。

 

 

 次回はコア・スタビリティについて掘り下げていきます。

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

内蔵を動かすリハビリテーション

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つい先日のことですが、肥満の方が集団でダイエットに取り組むテレビ番組についつい見入ってしまいました。

 

体脂肪だらけの彼らを相手に、あの手この手で痩せるための戦略を使っていく訳ですが、

肥満の身体にムチ打って限りなく限界まで追い込む

という作業を繰り返した結果、どうにか8人合せて100kg分の減量に成功する

という、ある意味感動的な番組でした。

 

 

何が言いたいのかというと、

プロのトレーナーは筋骨格の問題内蔵の問題の両者にフォーカスしている

というとです。

 

我々の業務は何かしら身体に問題を抱えている対象者への指導という点で共通する部分が多いのですが、

一般的にセラピストは対象者の筋骨格に対するトレーニングしか提供しない

という現状があります。

 

番組内で、トレーナーは

彼らの「内臓脂肪」を燃やして中身から改善させることを目的に「内臓をひねる」「美腸エクササイズ」などを戦略として用いていました。

つまり体幹へ刺激を入れて消化器官や臓器の働きを活性化させる

という作業を意図的にされていたのですね。

 

 

以前こんな記事を書きましたが・・・ 

toratezza0316.hatenablog.com

 

おさらいになりますが、

  • 筋膜と内臓は密接につながっており、内臓が過負荷に晒された状態では骨格筋の働きも鈍ってくること
  • 現代人はとかく内臓に負担をかける生活様式であること

 

ということです。

 

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臓器には様々な役割がありますが、ざっと分類すると

消化、吸収、排泄、解毒、循環、免疫 

といった具合です。

 

 

これまでの臨床経験から、

何らかの痛みを抱えた方は大抵これらの機能が停滞している印象があります。

 

例えば、

慢性的に痛み止めを服薬している方の肝臓付近の腹膜は緊張しやすい傾向にある(肝臓は異物に対して解毒作用を発揮するため)し、

腰痛のある方の骨盤付近の腸の蠕動運動は乏しくなっていることもしばしば見かけます。

 

自分のお腹に手を当てて少軽く圧迫を加えたとき、

  • 硬さや緊張感に左右差がある
  • 明らかに痛みを感じる部位がある
  • そもそも肋骨や骨盤の位置が左右で違う

 

など、何かしらの異変を感じる部位があれば、その場所に相当する器官のストレスが考慮されます。

 

あなたがもし痛みを抱えているのであれば、

一度自分の身体の中で恒常性の低下している要素について確認してみる、見当をつけることも重要になりそうですね。

 

 

西洋医学は間違いなく救命や治療の質を高めましたが、身体の原理原則に則って自然治癒力を高めるための医療はどちらかというと遅れています。

 

 

具体的な問題解決については個別に相談させていただいておりますし、また追って紹介させていただければと思います。

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

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