週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

肩こりと首のトラブルを抱えやすい方はここを触ってみましょう!

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前回に引き続き肩こりの話をしていきますが、

元々の職業柄、肩の話をする時は何となくテンションが上がります。

 

 

今や2歳の娘ですらスマホを何となく使いこなし始めている現代において、

下を向いて過ごす時間の長さは頸の疲労に直結しています。

 

頭の重さは体重の8%前後ですから、

50kgの人なら4kgの荷物を頸という脆弱な組織で支えているわけですね。

 

通常、

直立姿勢であれば身体の真上に乗っかっているだけの状態なので筋肉の負担は最小限ですが、

頭が前に傾いた状態を持続させると、後ろの筋肉が「これ以上倒れないように」と頑張ることになります。

 

したがって、

肩が凝っているという現象に対して頭を支える筋肉とその連結部位の筋疲労の影響も見過ごすわけにはいきません。

 

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 前回と異なり、後ろの筋膜について解説していきます。

 

図はディープ・バック・アーム・ラインと呼ばれる、インナーマッスルを中心とした筋連結を示したものですが、

頸/背中→肩甲骨→二の腕→小指

と、長いロープが一繋がりになっていますね。

 

 

以前もお話ししましたが肩甲骨は上半身の土台ですから、

頸が疲労して伸縮性が破綻してくると肩甲骨の動き自体が乏しくなり肩の症状として表れやすくなります。

 

そこで、

肩甲骨の下に位置する上腕三頭筋(二の腕)を掴んで肩甲骨側に軽く持ち上げてみます。

 

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上腕三頭筋を持ち上げた状態で頸や肩を動かしてみて、

「頸の突っ張りが減る」

「肩が動かしやすい」

などの変化があるようなら、この上腕三頭筋が肩甲骨の動きの改善に重要な意味を持ってきます。

 

エクササイズの方法も、そのまま持続的に圧を加える・緩める

の繰り返しになります。

 

なお、

筋肉を骨から少し引き離すような掴み方をすることで変化が生じやすくなります(赤い矢印が圧を加える場所)。

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現代人はとにかく肩/頸へのストレスが多くなりがちです。

 

緊張や疲労から崩れがちなアライメント(≓姿勢)に対して身体の地図を頼りに問題点を特定することができれば、改善への可能性が見えてきます。

 

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「肩こり」の治療でここを診ない治療家を信用してはいけない。

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筋膜を利用した痛み治療について、シリーズでお送りしていきます。

 

そもそもこのブログの趣旨は最初からそこだったわけですが、あちこち脱線してまた戻って来れました。(すぐにまた迷走すると思いますが…)

 

 

「肩こり」という現象をどこまで掘り下げて考えるか?という話。

 

 

重症の肩症状をお持ちの方ほど、腕の重さや上がりにくさを訴えられます。

 

肘を曲げながらでないと腕が上がらない、という方も少なくありません。

 

 

肩こりにお悩みの方のライフスタイルとして、デスクワークや家事、子育てなどで手を酷使している傾向にあります。

 

そのために筋疲労から上肢の相対的な重量が増加し、重力に負けてしまいがちになります。

 

 

下の図は、筋肉の繋がりについて表したものです。

 

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各部位の名称はともかく、これらの 筋連結を総称してディープ・フロント・アーム・ライン

と呼びます。

 

この青く示した領域が一つの筋膜として機能していると考えると、

肋骨の上の辺りから親指までが伸縮性のある1つのロープの端と端です。

 

さて、

このロープに伸縮性がなくなる(=筋疲労を起こしている) と、

引っ張れない(=腕が上がらない)

という状況になりやすくなります。

 

 

そこで、

ロープの端っこである母指球(親指の付け根)を押さえたまま腕を上げてみます。

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すると、

「軽く感じる」

「挙がりやすくなる」

「腕を上げた時の痛みが減る」

といった現象が高頻度に起こります。

 

 

もしあなたにこの変化が生じるのであれば、

あなたの肩こりは親指の筋疲労を取り除くことで解決する可能性がある

少なくとも上肢のパフォーマンスの効率化がもたらされます。

 

なお、押さえる強さは「障子が破れる程度の圧」で十分な場合が殆どです。

 

 

 肩に何かしらの症状のある方に対して、

身体の地図という知識をもとに問題点を特定するという作業。

 

もし身近に肩こりが慢性化している人がいましたら、

試しにその人の親指を触ってみて左右の違いや自分の指との違いを確かめてみてはいかがでしょうか。

 

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起業家にとっての最優先事項はゼロから1をつくる作業らしい。

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以前師匠から、

治療院を経営するには治療の技術だけ高くてもだめだ

と言われ、

 

じゃあ何が要るのか?

と問うたところ、

 

マーケティングだ」

 

と一括されました。

 

 

正直その時は言葉の意味すらピンと来ませんでしたが…

 

マーケティングとは、

顧客が真に求める商品やサービスをつくり、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動

だといいます。

 

つまり、

自社の強みを明文化してターゲット層を絞り込むこと

自社の商品を買うことでどのような利益がもたらさるのかをアピールすること

そして心に響く情報を届けること

 

一言でいうと「何もないところから価値を生み出す作業」だと考えます。

 

 

今でこそ「リハビリ」という言葉自体は浸透したものの

世間一般的なリハビリテーションのイメージは昔と大して変わっておらず、筋トレかマッサージか歩行訓練程度です。

 

このブログをいつも読んで下さっているあなたが、

多少なりとも違った視点で見ていただけるようになったとしたら、

リハビリテーションに関する私のマーケティングは一応成功したと言えるかもしれませんね。

 

 

現実には、

世間どころか同じ病院の中、施設のスタッフにすら理解されているのか?

そもそも理解してもらえるような活動をしているのか?

という問題もあります。

 

 

そんな世の中に対してどのように価値をつくるのかということ。

 

 

 

私は、専門家としてはそこそこの水準にいると自負していますが、

なんせマーケターとしては素人なのでやはりそういった作業が手探りです。

 

 

ただ、

私の存在を地元の方に知ってもらうため、「人に会う」という活動をし始めて分かったことは

人は見ず知らずの人間から商品を買おうとは思わないし、

理屈よりも売る側の人間性や感情で判断している

という印象を受けました。

 

 

そして、

このブログも油断すると難しい内容になってしまう傾向にあります。

 

 

難しい内容を難しい言葉で表現するのは簡単なのですが、

肝心なのは小学生でも分かるように説明できて初めて価値があるのだということ。

 

 

ということで、

筋膜の知識を応用したエクササイズがどのような価値をもたらすのか、

その分野の第一人者(少なくとも地域の中で)として世間一般に広めていければと思います。

 

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病院の呪縛を抜け出したセラピストが次のステージで戦うための修行と広報活動

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※今日は臨床的な話はお休みして、ライフスタイルの変化について報告しますね。

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8月になり、2ヶ月間の有給消化を経て一時失業者となった訳ですが(笑)、

先日無事に個人事業主の手続きができました。

 

といっても紙切れ一枚提出しただけですが・・・

 

また、

元々小心者で慎重な性格柄、会社員でなくなった後本当にやっていけるのか?

などと、この一年何度も自問自答してきました。

 

世の中にはたくさんの自営業の方がいらっしゃいますが、

自分の強みを生かして色んな形で世の中に貢献されている事業主の方を心から尊敬します。

自分もそうなれるよう、気分新たに身を引き締めて行きます。

 

 

なお、

これまで病院勤務しか知らない私が、自分の強みを生かすにはなんと言っても痛みを抱えた方の集まる環境が最高の修行の場かつ宣伝の場になります。

 

 

そこで私が選んだ道は、

老人保健施設で週3回アルバイトをしながら残りの日数で事業を展開する

という生活。

 

 老人保健施設とは、

一般的に「老人ホーム」と括られる施設の1つで

病院をあちこち移った後の実質的な終の住処になったり、家族の介護負担を和らげるために一定期間高齢者を受け入れる、自宅生活が出来ていても外出の機会がない高齢者に外出と交流の機会を与える場であったり、

と役割は様々です。

 

そして、

施設の利用者の殆どが、身体に何かしらの痛みを抱えています。

 

 

そんな環境に早や1ヶ月以上身を置いて感じたことは、

 

やはり痛みの治療に年齢は関係ない

 

という事実。

 

 

もちろん高齢な方ほど身体的な問題が多岐に渡る傾向にあるため、一筋縄ではいかないと感じます。

 

 

しかし、

繰り返し接していく中で

「最近脚が軽くなったよ」

「起き上がるのが楽になった」

「夜中のこむら返りがなくなった」

 

と利用者に確かな変化が現れています。

軒並み80歳以上でいずれも年単位で腰痛や膝痛が慢性化しているような方ばかりです。

 

 

現時点での課題は

重症な方ほど優先順位を明確化すること

施設の運営理念に従って自分の役割を全うすること

です。

 

 

新しい仲間ができ、自分の意思に共感してくれる人も増えてきました。

これからが踏ん張りどころですね。

 

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変形性膝関節症はどうしようもないものだと諦めているあなたへ

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病院の中で仕事をしていた頃は、結果が出ようが出まいが目の前から顧客がいなくなることはないし、

放っておいても医学的管理の時期を脱することで自然回復する場合も多いため、

はっきり言って「ぬるま湯」な現場でした。

 

それくらい地域には身体に問題を抱えた方が多くいらっしゃるし、勉強不足な専門家まがいのセラピストが溢れていると断言できます。

 

 

それはさておき、

今日の記事は変形性関節症という、専ら高齢者の多くが抱える痛みの問題について触れていきます。

 

 

以前もこんな記事を書きましたが・・・

toratezza0316.hatenablog.com

 

 

皆さんも、時々「よくこれで歩けるな」というくらい脚が変形し、正面から見ると「O(オー)の字」型の人(O脚)を見かけたことがあると思います。

 

そんな方を見かける度に、

長年頑張ってきた方なんだなと思いますし、実際に話を伺うと大抵苦労話が出てきます。

 

で、

何に困っているかと聞くと、

ほぼ全員が「膝が痛い」と答えられます。

 

ただ、

膝という明確な症状があったとしても他の部位は正常に機能しているのかと疑い、検証していくことが痛みを解釈する第一段階です。

 

なお、

膝の軟骨がすり減っているとか、油が切れているとか、

お医者さんが必ず言うであろうどうにもならない構造の問題についてここで触れることはしません。

 

 

人間の歩き方は十人十色で、その人にとっての正解・不正解は様々ですが、

重要な指標の一つに足の裏の硬さがあります。

 

 

あなたは歩くとき、どこに体重がかかっていると感じますか?

 

 

O脚の方の殆どが、骨盤から足部に位置する外側の筋肉が異常に引き伸ばされ、それを補うために拇指(親指)の付け根を押し付けたような歩き方をされる傾向にあります。

 

ちょうど車でいえばタイヤのキャンバー角を外側に向けた状態でしょうか。

 

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タイヤを外側に張り出すことで車はコーナーリングの性能が上がりますが、

タイヤの接地面積は内側に集中して結果的に磨耗しやすい状態となります。

 

 

つまり、

膝が痛いと仰る方の足底面は局所的に過剰なストレスに晒され、硬くなって短縮している組織が高頻度に見つかります。

 

その代表的なものが後脛骨筋です。

 

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この筋肉は脛から足底に伸びており、足の裏を床に接地するために重要な働きをするインナーマッスルです。

 

これが過剰に緊張し弾性を失ってくると、

床面に対して足部を押しつけるようにして体重を支えようとする

というパフォーマンスの変化が生じてきます。

 

 

つまり、床からの衝撃が

足底⇒下腿⇒膝

へと吸収されることなくダイレクトに伝達し膝の症状として出現してくる

という可能性が考えられます。

 

 

したがって、後脛骨筋の緊張を取り除く作業を介して床面に対する足の裏の使い方を制御する作業が膝へのストレスを減らす戦略になり得る

という結論に至ります。

 

あまり細かいことは端折りますが、

ポイントは後脛骨筋の終点が親指の付け根に相当しているということです。

 

自分の足の裏で親指の付け根の辺りを押さえてみて痛みを感じるようなら、

少なくとも後脛骨筋の筋疲労があるということです。

 

実際の治療では後脛骨筋を外から滑走させる操作を加えることで膝への負担が軽減し、明らかに骨関節の構造に問題のある患者さんでも「足が軽くなった」と仰います。

 

 

あなたがもし膝や脚全体に違和感を感じているのであれが、足の裏に注目してみることで何か変化が得られるかもしれませんね。

 

 

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あなたの股関節は柔らかい?

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以前の職場から離れてもうすぐ2ヶ月が経とうとしていますが、

その間にもたくさんの仕事をさせていただき、新しい生活パターンができあがりつつあります。

元々の家事スキル自体はそこそこベテランのつもりなので、

主夫として妻のサポートをしつつ、事業主としての活動もしっかりこなしていきたいところです。

 

 

さて本題ですが、

高齢者に限らず痛みを抱えた多くの顧客の特徴として、

股関節が病的なレベルで硬くなってる

という傾向があります。

 

 

股関節は肩の次に可動性(動きの自由度)の高い関節ですが、

それと同時に荷重関節であるために高い支持性が求められる部位であることは間違いありません。

 

 

したがって、

外傷や老化などで骨盤周囲の組織にトラブルが起こると、

人間は身体を支えるという機能を維持するため必然的に可動性を放棄して支持性を優先します。

 

つまり股関節を跨ぐ筋肉を固めることで安定を得る訳ですね。

 

 

股関節を覆う筋肉は以前にも紹介しましたが、

ここでは腸骨筋に注目してみます。

 

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腸骨筋は骨盤の内面に張り付いており、

いわゆる「もも上げ」をするときに働く筋肉です。

 

ただ、

以前インナーマッスルとアウターマッスルの関係性について触れたように

股関節を安定させるために働くのが腸骨筋

実際に股関節を引っ張り上げるのが大腰筋

とざっくり分けたとき、

腸骨筋がインナーマッスルとして適度な緊張状態であるかどうかが重要になります。

 

 

農作業など、中腰やしゃがんでの作業が習慣化している方の腸骨筋は「常に縮んだ状態」となる訳ですが、

それが長期化すると当然腸骨筋が過度に緊張し骨盤を前に倒そうという作用が働き、

結果腰が曲がってくる

という現象へと移行します。

 

 

臨床上、

「背筋を伸ばして!」

と指示するとその瞬間は伸ばせるがすぐに腰が曲がってしまう

という現象をよく観察します。

 

腰が伸ばせないという方の多くが、

コア・スタビリティが機能する以前に腸骨筋が伸びないせいで股関節自体が過度な緊張状態となり姿勢が保てない

という可能性があります。(コア・スタビリティについてはこちら↓)

toratezza0316.hatenablog.com

 

 

そこで、

骨盤の内側を押さえて(=腸骨筋を正確に捉えた状態で)股関節を動かしていただいたたとき

「軽く感じる」

「脚が開きやすい」

「腰が伸びやすい」

など、何か変化を感じるようなら、

ほぼ間違いなく腸骨筋のトラブルがあると見てよいでしょう。

 

 

「股関節を柔らかくしましょう」

とアドバイスする事は簡単ですが、ここでもインナーマッスルの柔らかさが重要な意味を持ってきます。

 

なお、

腸骨筋を触れる部位はベルトを留める腰の出っ張りの位置から

グッと内側に指を引っ掛けてみて、

この時点で痛みを感じる場合はしばしば押さえながら股関節を色んな方向に動かす習慣をつけると有効なストレッチになりますよ。

 

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※ホームページリニューアルしました!

支える力をつけるとは?

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ここのことろ優先事項が他にあり更新が遅くなりましたが、

先日から繰り返し強調している体幹シリーズです。

 

 

人間の運動において随意運動姿勢制御の両者が常に動員されており、

特に下部体幹インナーマッスルが担うコア・スタビリティというシステムが身体の土台として機能していることが効率的な運動に不可欠である

という内容をお送りしてきました。

 

もう一度コア・スタビリティの構成要素を紹介しますと、

腹横筋

多裂筋

骨盤底筋群

横隔膜

です。

 

筋、筋、筋・・・と来て「膜」が混じってますが、

横隔膜は最も重要な呼吸筋の1つで、呼吸に連動して常に上下に動くことで胸郭や腹腔の圧力を調整しています。

 

 

人間は進化の過程で姿勢と肩こりや腰痛との戦いを強いられるようになったわけですが、現代人はライフスタイル自体がハイリスクなものになってきています。

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こうしてパソコンに向かっている自分の姿勢も人のことは言えないかも知れませんが・・・

それはさておき、

ここでは「多裂筋」に焦点を当てて話を進めていきます。

 

 

そもそも多裂筋なんて聞いたこともない方も多いでしょうし、

セラピストですら気にしたこともない

という印象が少なからずある組織ですが、

すでに紹介したように姿勢制御における重要なインナーマッスルの1つです。

 

 

前回の「下手な絵」で解説したとおり、

姿勢をつくる主要な構造体は間違いなく脊椎です。

toratezza0316.hatenablog.com

 

多列筋の役割は関節を動かすことよりも適度な緊張を持続させて上下隣同士の脊椎(椎骨)を安定させることが主体ですが・・・

何せインナーマッスルなために他の筋肉(脊柱起立筋)に覆われ背骨の上からでは触れにくい筋肉です。

 

多裂筋は縦長で下の方ほど発達し、

骨盤の後ろの面に広がって付着していることから、

骨盤との連結が非常に強い筋肉であるとも言えます。

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腰痛を抱える方の多くがこの骨盤の後面辺りに圧痛を認める(太矢印の部分)ことから、

この付近を押さえてみて痛みが出る方は、この筋肉のトラブルを疑ってみることも重要です。

 

 

高齢者に限らず外傷後の方や日常的に同じ姿勢を長時間続けている方など、

体幹を捻る動き(回旋)や横に倒す動き(側屈)をしていただくと軒並み

「全然動かん」

もしくは

「右の方が回りやすい」

など、何かしらの違和感を訴えるという現象がしばしば確認できます。

 

そして、

多列筋の骨盤付着部辺りを押さえてもう一度体幹を回旋や側屈動作をしてもらうと、

「さっきより回しやすい」

「左が軽くなった」

といった変化が高頻度に生じます。

 

 

理屈としてはインナーマッスルである多列筋に外から圧を加えることで脊柱の安定性が一時的に向上し、アウターマッスルである起立筋の負担が減り効率的な筋出力を発揮することができる

ということになります。

 

 

もしあなたにこの現象が当てはまるなら、

多裂筋の慢性的な疲労や萎縮、緊張が動きを阻害している可能性が高いです。

 

そして、

骨盤と連結しているということは股関節の柔らかさにも強く影響される

ことが分かります。

 

 

繰り返し述べていますが、 

姿勢を維持するということは瞬間的な強いトルクではなく持続的な出力が求められる

=弾性と支持性を確保することが絶対的な優先課題になります。

 

したがって、

トレーニングの目的は背中から股関節にかけての動きを軽くすること

が課題になってきます。

 

いわゆる「腹筋運動」のような表面の筋肉を使う運動よりも、

呼吸が止まらないように背中やお尻を引き締める姿勢を意図的につくることも有効です(↓例)。

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実際のセルフエクササイズはセラピストによる鑑別と指導の元、というのがセオリーでしょう。

 

今回は多裂筋についてざっと紹介してきましたが、次の記事ではまた別の視点で体幹について語っていければと思います。

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

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