週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

病院も会社の1つだもの

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

寅丸塾の管理人です。

 

何回かに渡って脳科学リハビリテーションについてお送りしてきました。

 

toratezza0316.hatenablog.com

 

祝日の朝、次のセミナーの準備を(脳内で)進めつつ、これまでに仲間から頂いた「職場に関する不満」について私見を述べていきます。

 

 

 

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病院業務=ビジネス

 

私を含め大多数の「医療職」関係者は医療現場の経験しかありません。

 

我々療法士も医師や看護師同様、

専門の教育機関を出ないとなれない職業です。

なので、

多くは高校の頃から専門の学校へ行くことを希望し、そのまま病院などに就職します。

 

 

そうして組織の一員となった暁には、

専門的な力をつけることで組織の中の戦力となっていきます。

 

まぁ、当り前のことなのですが。

 

 

ただ、我々療法士の仕事は

顧客に利益を提供することで報酬を得る

というビジネスに他なりません。

 

 

なので、

自分の仕事っぷりは「20分で2500円」の価値が発生するに相応しい仕事なのか?

(1時間の「リハビリ」で7500円が医療保険で動いている=ジムとかフィットネスよりも高額!)

 

という疑問を常に持っているかどうかが、周りにどう言われようとも自分を成長させる原動力の一つだと私は思っています。

 

 

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年々減る診療報酬

 

私が学生だった頃と今では、随分と医療保険の算定方法が変わりました。

細かい話はともかく、

医療保険が国の財政を圧迫し続け、何とか採算を取るためリハビリテーション領域にもメスが入りました。

 

 

数人まとめて際限なく行えていた「集団療法」なんてものは廃止、

マンツーが基本で「期間に制限あり」、

対象疾患(+報酬)についても細かく分類されるようになりました。

 

これは、

結果が出てないところにまで回せる金はもうない!

と国が言っているようなものです。

 

 

正直、目的なくダラダラとリハビリの名の下に共依存を続けるよりはよっぽど意味のある制度だと私は思います。

限られた期間で明確な目標を定めてそれに到達することはビジネスにおいて至極当然のことです。

 

ただ、

それにはセラピスト自身の「個の力」が不可欠です。

 

 

金銭的な幸せは期待出来ない

 

さて、

リハビリが「ビジネス」であるならば、実力次第でセラピスト個人の待遇も異なってくるのが道理です。

 

が、あくまでも財源が「診療報酬」である以上、それが実現している医療機関などおそらく存在しないでしょう(自由診療を除いて)…

 

この

「結果の出せる療法士」

「給料さえもらえりゃそれでいい療法士」

の報酬の差は年数による昇級のみ

という待遇の不公平さが、

そもそも成長する目的を見失わせていることも事実だと思います。

 

 

したがって、

労働に対する金銭的報酬という点では理学療法士作業療法士の仕事は決して満たされるものではないかも知れません。

 

その代わり、

「私の仕事はちゃんと人を幸せにすることができる」

という貢献感によって、精神的な幸福を得ることには拘りたいものです。

 

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何が自分達の幸福を阻害しているのか?

 

 

一緒に勉強している仲間達に現場の声を聴いてみると、

「幸福」に感じられているとはお世辞にも言えない有様で・・・

 

 

①上司が組織を支配している

職人気質なベテランが若手を指揮する時に生じやすく、業務中に部下を下の名前で呼んだり、管理職への「めんどくささ」を日常的に声に出している

→言動が基本高圧的に感じ、パワハラっぽく見えてしまう

 

 

②上司の仕事っぷりが信用できない

実働よりも管理がメインになるのはしょうがないとしても、一日中パソコンとにらめっこしていたり、無駄話としか思えない雑談が多い

→そういう「先輩」を何人か見てきたが、どういうわけか実働能力も優れていると感じたことがない

 

 

③コミュ障または問題解決能力の低さ

こちらが質問しているのに、解決策を提示するのではなくこちらの粗を探すように逆に問い詰めてくる、もしくは自分の専門外のことには関心を示さない

→相談する気にならなくなる

 

 

④「ウチはそういう組織だから」詐欺

子育てや親の看護など様々な理由で職務規程に準じた行動ができないこともある

が、実際には有給休暇ですら「周りが迷惑する」などという理由で渋られる

→それをフォローするのがお前の仕事なのでは?

 

 

などなど。

 

 

色々と先輩や上司についてディスってしまいましたが、

もちろん不満ばかりを口にする若手自身にも、社会人として何も問題がないとは思いません。

 

ただ、

 

「 この先輩について行きたい」

と慕われる療法士にはそれなりの理由があるわけです。

 

私はそういう組織から一度抜け出して全て自分の責任で仕事をしていた訳ですが、

年功序列エスカレータ的に役職をもらっただけの者を見ているとやはり心がザワつくものがあります。

 

だからせめて、

目に映る範囲では「自分は後輩や他のスタッフにどう見られているか、信頼を得られているか」ということに配慮しているつもりです。

 

 

まとめ

 

病院も会社の1つですから、利益を上げることが求められるし上司はそれらを管理する必要があります。

 

ただ、病院という少し特殊な環境で部下の信頼を得るには、

やはり一職人・社会人としてある程度の能力を示す必要があると私は感じています。

 

部下や後輩はそのような上の人間を見て、

「頼りになるかならないか」

「組織に居続けたいか否か」

を考えます。

 

また、

自分自身が頼るのではなく頼られる存在になるという意思を持つことで、上に遠慮することも減ってくるでしょう。

 

 

 

そういう人材を育てるのも、今の自分の役割じゃないかと思って次回も質の高い講習を企画していきます。

(※今日は家族で遊園地行ってきますが・・・)

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。