東洋医学についてpart.3
今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。
インフルエンザが落ち着くと、週末は仕事に加え駅伝やら宴会やらボランティアと地域の行事が重なり、オチオチPCを開く時間もなく過ごしてしまいました。
が、最近読んでくださる方が少し増えてきたので、ちょっと頑張らないとと思っている今日この頃です。
さて、東洋医学シリーズが何となく板についてきました。
前回のまとめ
東洋医学において、健康とは「気」「血」「水」の3要素がバランスよく循環することで内臓機能が保たれ、どれかの要素が不足したり過剰になっても病的な状態になる。
その中で、
「気虚」という現代にありがちな(しかし西洋医学では対処が難しい)気の不足に伴う問題の捉え方や対処方について語りました。
具体的には、
体温が低い人の基礎代謝は基本的に低く、脂肪が沈着しやすい体質であること
まずは消化吸収能力を高めて効率良く栄養素を吸収し、深部体温を高めて基礎代謝量を増やすという考え方が自分の気を高めることにつながる
そのためには筋肉をつけることが大前提なのだけれど、
人間は弱いもので「ハイ分かりました」とトレーニング出来る人はそういない
ならば、
せめて身体を温める食品を摂取することで熱を発生させ代謝量を高めることも選択肢に入れてみよう
そこから少しずつでも身体と向き合うように意識していく
といった内容を述べていきました。
ところでこの季節、
やはり「冷える」という情報には敏感な方が多い印象を受けました。
ので、今回は深部体温についてもう少しお話していこうと思います。
深部体温と冷えについて
人の体温は測定する場所によって違っています。
体の表面の温度を「表面体温」
脳や内臓などの体の内部の温度を「深部体温」
といいます。
表面体温は、体の中心から離れるほど外気の影響を受けて低くなります。
深部体温は通常直腸で計測するので、直腸体温と言うこともできます。
さて、我々はこの季節冷え対策として厚着をしますが、それは表面体温を温めている行為ですので、
身体内部が冷たい場合、どれだけ着込んでいても「寒い、寒い」と訴えることにになります。
この傾向が最も強いのは内臓機能や体液循環の衰えた高齢者で、
入院患者のリハビリのために病室を訪れると暖房がガンガンにかかって毛布にくるまっていてもとにかく寒がっている
布団をめくると全力で抵抗してくる
というのは病院あるあるです。
こんな、頑として動こうとしない人を強制的に離床させたりするとと、大抵の場合患者との関係は悪くなります(ある程度仕方ない部分もありますが)。
そもそも、こういう患者をトイレに連れて行っても、起きる・坐る・立つなどあらゆるパフォーマンスが低すぎて、
「お互いにめっちゃ疲れた、これならオムツの方がマシだった」
みたいなことになりますよね(経験談)。
これを「リハビリ」として何とかしようとするならば、
患者のため、とか言いながら自己満足と正義感の下に「反復練習」させて「習慣化」し、「筋力」をつけて「自立」に近づけていこうとするのがスタンダートなやり方なのですが・・・
話が逸れましたが、
人間は深部体温が低いほどパフォーマンスが下がり、
深部体温が上がればパフォーマンスは上がります。
人の体温は常に日内変動しており、深部体温が低下すると覚醒自体も下がってきます。
基本的に夜間の睡眠中が最も低く、朝にかけて徐々に高まり覚醒の準備をします。
最も深部体温の高いのは夕方=パフォーマンスが最も発揮できる時間滞
ということになります。
そして、
ピークを過ぎると徐々に睡眠の準備をしていくのですが、
運動や入浴にによって汗を流したとか、新陳代謝を促す活動をしたかどうかで、この体温の変動曲線が変わってきます。
つまり、
メリハリのない生活をしている人は深部体温の日内変動も少なく、寝不足やよく寝たのにスッキリしないという人は、
そもそも睡眠中に深部体温が下がっていない=脳や内臓器官が休息できていない可能性が高い。
脳や内臓が十分に休めていないということは、
日中も十分な働きが出来ず、熱生産はもちろん消化吸収、循環・免疫・・・
あらゆる内臓機能が停滞し「冷え」と「生産性の低下」という負のスパイラルに陥ります。
これらの話から、
やはり何かしらの運動が非常に重要なのは間違いないですが、
てっとり早く深部体温の上げ下げをコントロールするのは
「お風呂に入るタイミング」
でしょうか。
深部体温の下降が入眠や入眠直後の深い睡眠を促します。
入浴後は一時的に深部体温が上昇するが、その後大きく下降するので(約90分後)、このタイミングで床に就くとよい睡眠を得られる。
体温を下げるための熱放散を促す足湯は、入浴と同等の効果あり。寝る直前でもよい。
通気性のよいそば殻枕で頭を冷やし、脳を十分に休ませる
少量の強いお酒なら寝つきをよくして、睡眠の質も下げない
ほのかな明るさの間接照明が副交感神経を高め、安眠へと誘う
朝の光を浴びることで体内時計をリセットし、夜の安眠に備える
よく嚙む温かい朝食は、体内時計のリセット効果と肥満防止効果がある
※西野精治 スタンフォード大学医学部精神科教授
・・・ここまで書いて、殆ど東洋医学の話をしてないことに気がつきました。
ただ、「冷え」という症状に対して、
表面体温を上げるのが西洋医学的アプローチ(対処療法)
深部体温を上げるのが東洋医学的アプローチ(根本治療)
であり、
脳や内臓のパフォーマンスを意識した生活を送ることは、
結果として人生の質を高めることにつながる
と私は考えています。
この続きはまた後日・・・
今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。