週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

与える者になる

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道・御調で唯一の疼痛専門セラピストです。

 

自分をどう定義するか?

 今日はこのテーマについて、いつものように脱線しながら語っていきます。

 

長らく専門家として仕事をしていながら、

「自分が顧客に提供する利益とは何か」

を考えることがありませんでした。

 

「リハビリ」という単語を出せば無条件で顧客から信頼してもらえる

そんなおこがましさがどこかにあったからです。

 

 

「医者」「看護師」「弁護士」「税理士」etc・・・

 

これらは職業名であって、

具体的に何をもたらしてくれる存在かは

社会的な知名度

接触する機会の多さ

によって顧客の中に浸透していきます。

 

我々の存在は今でこそメジャーになりつつありますが、

それでも

理学療法士とか作業療法士

という職業名称からイメージするものは、

「リハビリってあれでしょ?マッサージとか筋トレするやつでしょ?」

 

程度の認識でおられる方がとても多いと感じます。

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まぁ実際こんな感じの練習はどこでも見かけますし、

「どれだけ頑張ったか」

「どれだけ負荷に耐えられたか」

を基準に動いているセラピストの方が多いのが現状です。

 

 

・・・最近とても疑問に感じること。

 

我々の診療報酬は20分で250点(2,500円相当)、

1時間トレーニングをすれば7,500円に相当します。

 

その場で金銭のやりとりをするわけではありませんが、

顧客は保険診療ながらもそこそこ高額な金額を出資した上で

「クタクタになる」

という不思議な現象が日常化しています。

 

ちなみに、

顧客のニーズは

「元気になりたい」「普通の生活がしたい」

であって、

決してムキムキになりたいわけではありません。

 

ただ、

病理を抱えた状態からどうやって改善するのか分からないから、

白衣を着た「専門家」と名乗る人に頼るしかないのです。

 

結果、

言われるがままになる訳ですが、

改善するかしないかは「努力次第」という認識に陥る

というのがリハビリ業界の現状です。

 

 

 

ある内臓疾患で繰り返し入院している患者さまは、

過去に脳梗塞を発症したことで右半身が痺れています。

 

しかし1日1000歩以上を目標に挙げられ、

律儀に実践しておられます。

 

ただ、

それを繰り返す内に

痺れが増強し足は重たくなり、すぐに息が上がるようになった

とおっしゃいました。

 

私が初めてお会いしたとき、

「リハビリはもう十分してきたから別にいいよ」

と半ば諦め気味な口調でしたが、

 

過去の経験を十分にお聴きした後に、

私は

「〇〇さんの希望は足が軽くなることですよね。

そしたらこれまでとは少し違った視点から、それを目指します」

と約束しました。

 

ちなみに、

痺れの原因は努力性の緊張から来る筋肉の強張りが慢性化し、

硬い筋肉が周囲や筋肉内の神経を圧迫しているためです。

 

痺れが慢性化している「元栓」の部位である、

大殿筋や小胸筋(詳しくは次回以降に紹介します)の緊張を抑制していくと、

 

「何か足が上がるようになった」

「腕も楽になってきた」

と変化を感じて頂けます。

 

結果、直接的に歩行訓練をすることなく

「足をひこずらんようになった」

「疲れにくくなった」

という運動の効率化を経験されることになりました。

 

 

こういった「ボタンの掛け違い」のような事象は、

病院の中だけでなく地域社会でもたくさんあります。

 

 

これらを踏まえて、

自分が顧客に提供する利益とは

 

痛み止めを手放せない地域の方が、それらを卒業して幸せに生活すること

安心して相談できる窓口になること

 

これが専門家としての究極的な使命であり、

決してブレないビジョンです。

 

もちろん、

到達出来るかどうかはともかく、

その実現に向かって1歩ずつ進んでいくことが重要だと思っています。

 

 

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