週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

「多動」について仮説を立ててみた

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

 

徐々にサボり癖がついてきてます。

 

今日の話は子ども関連ですが、大人にも共通する部分があります。

落ち着きがない子どもを診ていて気になったことを「仮説」として記事にしました。

 

 

親の願いはほぼ共通

 

毎日のように、何かしら問題のある子どもと触れているといろんな共通点を発見します。↓

toratezza0316.hatenablog.com

 

ざっと復習しますと、

・姿勢が悪い

・すぐ疲れる

・待てない、すぐに動こうとする

・乱暴

・運動が下手

などなど・・・

 

ここでは「抗重力筋」の必要性について語りました。

 

見れば見るほど「ウチの子はまだマシだな」と思わされます。

 

 

そして、

親の訴えもほぼ共通しており、

「落ち着いてほしい」

「姿勢をよくしてほしい」

「友達と仲良くしてほしい」

のどれかが必ずランクインしております。

 

まぁ、親としては当然の願いです。

 

が、その願いをかなえるにはかなりの労力と戦略が必要になります・・・

 

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速筋と遅筋の関係

 

話は逸れますが、

動物の筋肉には、いわゆる速い筋肉(速筋)と遅い筋肉(遅筋)があります。

 

速い筋肉とは白筋繊維のことで、獲物を瞬時にとらえることに長けている白身魚(カレイとか)のように短距離型の筋肉のことを言います

 

遅い筋肉とは赤筋繊維のことで、休むことなく回遊する赤身魚(マグロとか)がイメージしやすいでしょうか。

 

つまり、

白筋繊維は瞬発力

赤筋繊維は持久力

を発揮する筋肉です。

 

スポーツ選手でも、体型を見ただけで瞬発力タイプか持久力タイプかは感覚的にすぐ分かりますよね。

 

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人間の筋肉には速筋と遅筋が混在していますが、部位によってその割合が違います。

 

速筋の割合が多い筋肉は、

大腿直筋

外側広筋

大胸筋

胸鎖乳突筋

上腕三頭筋

 

遅筋の割合が多い筋肉は

ヒラメ筋

前脛骨筋

内側広筋

長腓骨筋

三角筋

 

等です。

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話を戻しますが、

いわゆる「多動」「注意散漫」「姿勢が悪い」子どもが自分のカラダを意識していることなどほぼありませんが、

これらの身体的・精神的な特徴はどうしても「速筋優位」な印象が拭えません。

 

速筋優位な運動パターンが慢性化すると、

思考パターンもそれに感化されてしまうのではないでしょうか。

 

つまり、

突発的・衝動的な行動を続けていると

突発的・衝動的な思考になり、

社会性の発展を阻害していきます。

 

 

結果的に、

遅筋の働きである持続的な姿勢制御が出来ず、

速筋繊維を動員して突発的に動き回ることで代償的に姿勢を保とうとし

注意や思考能力も非協調的なものになる

という現象が発生します。

 

 

これに対して、

・注意を促す

・難しい問題を与える

・〇分間じっとさせておく

といった表面的な課題を提供しても問題の本質に到達していない可能性があります。

 

 

速筋優位の運動パターンの割合を減らして遅筋を出力させる戦略

を提供することができれば、

姿勢制御

ボディイメージ

衝動性

注意

社会性

という、一見別々に見えて密接につながっている要素の発達につながっていくのではないかと考えています。

 

発達を支援する上で、

我々は動物であるという事実を忘れてはならない。

 

友達と仲良くする

とか、

助けを求められる

とか、

親の言うことを素直に聞ける

とか、

 

社会的適応能力とは基本、より低次なレベルであるカラダの形成の後に出来ていくものです。

 

基礎も出来てないのに2階の天井を作ろうとする大工はおりませんので・・・

 

 

次の記事では、どのように遅筋を鍛えていくかについて言及していこうと思います。

 

今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました。