週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

評価と見立て

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

 

ちょっと油断するとすぐに更新作業をサボるため、せっかくの読者様に飽き飽きされそうな今日この頃です。

 

さて、前回のお話は、

あれこれとウンチクを垂れながらも、

子どもにどうやってやる気を出してもらうか

ということについて言及させていただきました。

 

toratezza0316.hatenablog.com

 

今日は、課題を抱える子どもに対するリハビリテーションの「評価」について考えていければと思いながら徒然なるままに手を動かしております。

 

 

親から見て子どもの点数化は重要か?

 

私も親の端くれですので、子どもの将来について心配か?

と聞かれれば当然心配です。

 

これから年長になって小さい子のお世話をしたり、同年代の子との関係や行く行くはやってくる進学の問題、そして就職・・・

 

 

いやその前に、まず「トイレちゃんと行けや」

 

ってのが真っ先に思い当たる心配事なのですが。

 

娘よ、なぜお前は保育園ではまぁまぁ出来てるのに家に帰ると平気で漏らす!?

 

 

・・・まぁ、保育園で気ィ張って頑張ってくれてるので、少々家で色んなところがユルくなってても多少目を瞑りますが。

 

まさか小学生になっても続くことはあるまいて。

 

 

 

話が大分ズレました。

 

 

 

私の勤めるセンターでは、

何かしら課題のあるお子さんのリハビリテーション依頼が来ると、

まずチェックシートに沿って課題を与え、運動機能や問題解決能力を観察するようになっています。

 

例えば、

ケンケンで真っ直ぐ進める

セラピストと同じポーズができる

シーソーの上でバランスよく立っておく

目で追っかける

指を順番に合わせる(親指と人差し指→次に親指と中指→・・・)

鉛筆で線をなぞっていく

絵を描く

知能指数(IQ)を測る

etc・・・

 

挙げればキリがないですが、要は出来ることと出来ないことを分けていき、課題を炙り出すようなものです。

1度で終わるものではなく、微妙に視点や方法を変えながら繰り返し協力してもらいます。

つまりチェックシートの項目自体が多すぎて、それこそ何度も通ってもらう訳ですから、言うなれば「評価」のためにその親子は一定期間セラピストの行う検査に付き合わされるということです。

 

 

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ここまで書いてみて、「おかしい」と思ってくださった方、ありがとうございます。

 

 

 

この方法で、ざっくりと平均より「よい」「悪い」という評価が得られたとして、

それを報告されたところで親からしてみると

 

「大きなお世話だ」

 

と言いたくなりませんか?

 

 

少なくとも私が患者(被支援者)の立場であればそう思います。

 

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必要なのは主訴に対する見立て

 

 

昔から後輩を教育する際にはよく言ってきたことがあります。

 

「決められた検査をやって点数を出すだけなら、そこら辺のおばちゃん雇ってアルバイトでやってもらった方がいんじゃね?」

 

 

元々の専門分野である成人の外傷や脳卒中でもそうでしたが、

患者には当然「主訴」があります。

 

当センターでよく耳にする親の訴えといえば、

よくこける

手先が不器用

身体が硬い

言葉の発達が遅い

落ち着きがない

友達関係のトラブル

こだわりが強い

空気が読めない

常に動いている

癇癪をおこす

授業についていけない

etc・・・

 

それこそ挙げればキリがないですが・・・

 

 

リハビリテーションにおいて、「問題」というものをざっくり分けると

 

・優先的に解決すべきものと後回しでもよいもの

・本人を変えることで解決が見込まれるものと環境を変える方が項を奏するもの

 

があります。

 

基本的に発達途上である子どもは、

粗を探せばいくらでも「問題点」らしきものは出てきます。

 

ただ、

容疑者のプロファイリングのようにデータを集めまくる作業よりも、

初めて会う子どもが大人の自分に対して

「素を出せる」

ように持っていく方がよっぽどその子を「把握した」ことになりそう。

 

その上で優先順位を取捨選択していくことが場合によっては支援につながりそう。

 

 

そんなことを考えながら、悪ガキ(?)の相手に明け暮れる1週間でした。

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続く・・・