週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

自分の身体が自分のものに感じないことがある?

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道で唯一の疼痛治療専門家のブログへようこそ!

 

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。

 

暫く放置してしまっているうちに年が明けてしまいました。

 

久しぶりにまとまった休みが取れたはいいものの、

ダラけた生活になってしまっているのが分かります。

また気を引き締めてやっていきます。

 

 

 

 外傷や脳卒中などの後遺症で、

身体の一部が「自分のものに感じられない」

という感覚に襲われることは少なくありません。

 

私も子どもの頃、

肩を骨折してから2ヶ月近く腕を吊り下げていた後、医師から「もう動かしていいよ」

と言われたところ全くいうことを聞かず

「この手は俺のじゃない」

と心の中で叫んだ思い出があります。

 

 

細かいメカニズムなどはここでは端折りますが、

この身体所有感」という感覚は人間が動く上で非常に重要な一方、

あくまでも主観的なものですので第三者には伝わりにくいところです。

 

 何が言いたいのかというと、

 そこそこ柔軟な子どもでさえそのような現象に襲われる訳ですから

慢性化した症状を抱えた方ほど大なり小なり身体所有感の喪失を疑う必要がある

ということです。

 

 

 

なお、「自分のものに感じられない」

を言い換えると「その部位から正しい感覚が感覚が入ってこない」

です。

 

 

物に触れた感触、圧迫された感触、冷たい/熱い感触、関節が動いた感触・・・

 

 

感覚にも様々ありますが、

それらが自分の動きに連動するようになれば、

理論上「自分の身体に感じられる」ようになります。

 

 

高齢者にとって、「立つ」という動作は最もエネルギーの要る作業の一つです。

 

数年来車いす生活を送っている方にとって「脚」はもはやお荷物になってしまい「腕の力で柵を引っ張ってどうにか立つ」人が圧倒的に多いわけです。

 

 

しかし、

介護ありきの生活を送る上でも自分の力で立てるかどうかは介護者の負担に直結するため、そこがリハビリの目標になるといってもよいでしょう。

 

 

このような方に対して、

床に足の裏が着いた感覚

足の裏が床に沈み込む感覚

お尻が踵の上で伸び上がる感覚

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 がしっかりと入ってくると、

「久しぶりに自分の足で立った」と感じられるようになる方がおられます。

 

運動機能を改善させることがセラピストの仕事ではありますが、

そのために筋トレを選択するか、「動く感覚が入ってくる」ようガイドするかは指導者次第です。

 

ただし対象者の予備力は健常者のものとは比べるべくもないはずです。

 

我々は可能な限り対象者の負担を最小限に留めつつ動きのコツを掴んでいただきたいものですね。

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

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