痛みとは感覚が正しく入ってこない状態を指す。え、当たり前だって?
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もう10月も終わりですね。
この数ヶ月は目の前の課題をこなすことに精一杯で、休日くらいは子どもの相手をしっかりしてあげたいと思いつつも自分の体力がかなりすり減っているのが分かります。
夜になってようやくPCに向かっているところですが・・・
何度か触れてきましたが、
私は臨床家として脳に関する研究をしていた期間が長く、
顧客の問題解決=運動学習
という視点で治療に当たることが自分の中での絶対的なルールとして存在します。
痛みのある患者さんの問題を評価するとき、
ある特定の行為は複数の構成要素に分けられ、身体の各部位は行為において重要な機能単位に細分化されます。
具体的に言うと、
「洗濯物を干すときに物干し竿に手を伸ばす」という行為に対して、
・自分の姿勢を維持するために腹圧が上昇する
・胸を張って身体を伸展させる
・足下がグッと踏ん張る
・肩が持ち上がって物干し竿へと腕を方向付ける
・物干し竿との距離を調整する
・正確に目的を達するための末端での微調整
というざっくりとした構成要素が存在します。
このときの身体各部の役割を明確にすると、
・体幹および下肢・・・姿勢制御
・肩甲骨・・・上肢の土台
・肩・・・方向付け
・肘・・・距離の調整
・手首・・・指の向き
・手指・・・物の持ち方
と、機能単位としてどの要素が欠けても行為が成立しなくなることが分かります。
したがって、
「肩が痛い」と仰る顧客に対して単純に「肩」の問題と見なすのではなく、
一連の行為において特異的病理(上手く制御できていない)のある部位や要素はどこなのか?
という視点を持つことが、問題を鑑別する上で極めて重要である
と考えています。
今日はずいぶん専門的な話になってしまってますね。
例えば、
腕を挙げる時に「肘を曲げてないと上がらない」という対象者はかなり多いです。
痛みの生じる部位は肩であっても肘を曲げる筋肉が硬くなりすぎて重たくなっていることがそもそもの原因である
ということが頻繁にあります。
また、
猫背で胸郭(肋骨周囲)の可動性が狭い方の肩甲骨はガッチガチに固まっており腕の土台として機能していない
なんてこともしょっちゅうです。
こういった問題を抱えている状態では、
腕を上げる=とにかく力を入れること
となっておりまともな感覚などとても入ってきません。
ここで言うまともな感覚とは、
「軽い感じ」
「腕が伸びる感覚」
「指が遠くに感じる」
「呼吸が楽」
etc・・・
こういった感覚が慢性的に欠落してしまう訳ですね。
したがって、
治療の目的は「これらの感覚が感じられるようになること」だと信じてます。
この目的に沿う戦略を取捨選択していくのがセラピストの仕事です。
やはり筋トレではどうにもならなさそうですよね。
次回に続きます。
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