週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

姿勢が痛みの改善に役立つ!?

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道で唯一の疼痛治療専門家 のブログへようこそ!

 

ブログを始めて半年経ちましたが、やっと記事を50個書くことができました。

多くのブロガーさんの記事もたくさん拝見し、皆さんとてもエネルギーの要る作業を続けているなと感じました。

 

そこで、

1つの記事を長々と書くことよりも伝えるべきことを明確にして、

数回に分けてお伝えしていくという方法も導入してみようと思います。

 

 

 

ここではセラピストにとって体幹の重要性について言及していきます。

やや難しい表現も含まれますが、かみ砕いて説明できるかは自分の表現力次第です・・・

 

 

さて、

あなたがもしセラピストなら、次の質問には明確に答えられなければなりません。

 

 

 

 

 

「人間の運動を2つに分けると?」

 

 

 

 

 

これに対する私にとっての正解は

  • 随意運動
  • 姿勢制御

の2つです。

決して「手の運動と足の運動」ではありません。

 

 

随意運動は「コップを取ろう」とか「脚を上げよう」といった意思に基づいた運動のことで、

平たく言うと「目的のある関節運動」です。

 

 

一方、

姿勢制御は意思とは関係なくオートマチックに機能している要素です。

例えば「座っているときの背筋の持続的な収縮」や「手を伸ばしたときの重心の変化に対するバランスの取り方」など、

体幹を中心とした「支える働き」が主体です。

 

 

つまり、

我々が違和感なく高いところに手を伸ばしたりボールを蹴ったりと随意的な運動を円滑に遂行できるのは、

それを支えてくれる不随意的な姿勢制御が機能してくれているためだと分かります。

 

 

専門的な表現をすると

随意運動は外側運動制御系

姿勢制御は内側運動制御系

 

といい中枢神経系から出力される神経経路自体が異なっており、

2つの経路は別々のものではあるけれども

協調的に機能することで効率のよい運動がつくられている(↓下図)

この事実に基づいてリハビリテーションは展開されていくことが望ましい訳です。

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高齢者や外傷後などで身体構造に変化を来たした対象者の多くが

「脚が弱った」「背中が曲がった」

などの問題を訴えらますが、

これに対して「随意」と「姿勢」のどちらに問題があるのか?

という疑問を持つ習慣が求められます。

 

 

経験上、

姿勢制御が機能せず随意運動によって代償している対象者が圧倒的に多いです。

 

彼らは客観的には動けているけれども協調的でなく、オートマチックに制御するべきところを随意的に(=力むことで)支えています。

同じ部位への繰り返される機械的なストレスから「痛み」を感じるようになります。

 

 

それを解決するには姿勢に関わる要素の改善が必須です。

 

つまり、

姿勢が安定する

→最適な筋出力を調整出来るようになる

→代償的な力みがなくなる

→局所的なストレスが改善し痛みが軽減する

 

といった具合に、運動の効率を上げることで結果的に痛みが制御されます。

 

 

リハビリテーションにおいて、

現象として筋力が低下している対象者の問題を随意運動と姿勢制御のパワーバランスの問題と捉えることで戦略が変わってくることが分かります。

 

 

 次回はコア・スタビリティについて掘り下げていきます。

 

今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。