週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

楽に歩くために必要な要素とは?

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道で唯一の疼痛治療専門家のブログへようこそ!

 

初めてご覧になった方、またいつも読んで下さっている方へも今一度ご案内しますが、

 

このブログの趣旨は、

世間的に誤って認識されがちな「リハビリテーション」のイメージを修正し、

読者の皆様に健康に関する価値ある情報をお届けする

そして

想像以上に多くいらっしゃる、腰痛や膝痛、肩・首のトラブルにお悩みの方が、

適切な治療を受けるきっかけを提供する

 

そのようなコンセプトで運営しております。

 

従って、

出来るだけ実例やかみ砕いた表現を用いて文章化する事を心掛けておりますが、

「この辺が分かりにくい」「こんなときはどうしたらよいの?」

など、疑問質問ありましたら遠慮なくコメントくださいね。

 

 

なお、

最近話が深掘り傾向でマニアックな情報になりつつあるので、

一度基本に戻って筋骨格系の問題に触れていきます。

 

 

 

 さて、

あなたは廃用症候群という診断名をご存じでしょうか。

 

外傷や麻痺がなくても、様々な病理から治療上安静を余儀なくされる、

または身体の脆弱性が顕在化することで日常生活に適応出来なくなった状態

を指します。

 

平たく言うと、

病的な水準で身体が鈍った状態

です。

 

臨床的には

「この人歩けなくなってるからしっかり歩かせて」

的なニュアンスで医師から依頼を受けます。

 

このとき、

セラピストが決して誤解してはならないことは

「歩く練習をする」のではなく

「対象者が歩きやすいと感じられる状態へ身体を誘導する」

ことです。

 

 

あるガン患者さんは、

数年前に脳梗塞を患ったにも関わらず頑なに「リハビリ」を拒んでおり、

ガンの進行に伴って元々の体力で補っていた部分も限界を迎え、歩き方以前に座り方自体、今にも倒れそうな拙いものでした。

 

廃用症候群としてリハビリテーションが始まり、

ご自身の気になるところを挙げていただくと

「足元が痺れるような感じ」

と仰るだけで、それ以外の問題には無頓着です(実際傍目には手足の動きは問題ありません)。

 

そこで、

「足部と機能的に連結している部位」に焦点を当てて触診をしていきます。

 

すると

明らかに骨盤の前方に抵抗を感じ取り、本人も

「うぉ、なんでそんなところが痛いんか」

と驚きを隠せません。

 

このような反応を示す方の多くが

DFL(ディープ・フロント・ライン)の機能障害を来たしており、

 

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このように末端に痺れや痛みがある背景には

体幹深層の組織の弾性が破綻したためにそもそも身体の軸が安定していない

という問題があります。

 

 

つまり、

ここで必要になる治療とは

足元の自覚症状から根本的な問題を鑑別し、

姿勢制御に重要な腸骨筋や横隔膜の機能障害を解決へと導くことです。

 

 

より深い部位の問題に対して筋膜の繋がりを使った伸張刺激を加えていくと

「すごく効いてます、気持ちがいいね」

と感覚が入り、

実施後は

「脚が軽くなった」

「スッと起きられるようになった」

という確かな変化がおこります。

 

専門的な表現をすれば

コアスタビリティが強化され姿勢や運動に伴う適応的な腹圧が制御されるようになった

 

という結果がもたらされた訳です。

 

 ちなみに、この方は

「リハビリなんて信用してなかったけどこれからはちゃんと訊きます」

と、以降信頼して頂ける分岐点となりました。

「信用してなかった」理由については、もはやご想像にお任せします。

 

 

診断名に拘らず現象から問題を鑑別する。

そして仮説-検証作業を介して根本的な原因の改善へとガイドするのが我々の仕事です。

 

 鍛えるだけ・歩く時間や距離を延ばすだけのトレーニングをしているけどあまり価値を感じない、

という方がお近くにいらっしゃいましたら、

お気軽にご相談下さいね。

 

 http://salon-mizuki-rehabilitation.strikingly.com/