週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

肩甲骨を使って動きやすくなる?

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道市で唯一の疼痛治療専門家のブログへようこそ。

 

今日もぐずつきがちな娘のおかげで2時に目が覚め、

こうしてPCに向かっています。

 

 

さて、

あなたの肩甲骨は正しい位置に収まっていますか?

 

何度も触れていますが、

身体の土台が適正な状態であることは

家でいうと床面が平らに保たれている

くらい必要不可欠な要素です。

 

床が傾いている家に住むことは

相当な身体的負荷や不快な気分にさらされることは想像できるはずです。

 

 

リハビリテーションの現場において、

ある程度高齢の対象者はもちろん、

そこそこ若い人でも右の図のような立ち方・歩き方になっている様子を毎日のように見かけます。

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外傷や脳卒中・加齢による身体構造の変化に伴って、

身体活動が少なからず制限のある状態で動こうとすると

人間はどうしても視覚的な代償を求めます。

 

健康な状態では無意識的に正中(まっすぐ)を保ち

「自分らしい動き」を寸分の狂いなく再現します。

 

病的な状態においては、

自分らしい動きよりも安全性を優先するため

意図的に身体を固め、感覚よりも筋力発揮する

ことにエネルギーを費やしてしまうのです。

 

 

そして、

なぜか現在の医療では

「それなら容量を増やせば良い」

(=しっかり歩いて体力をつければ疲れなくなる)

ことが常識としてまかり通っています。

 

つまり、

リハビリテーション専門家に求められるのは

対象者を限界まで追い込むこと

です。

 

 

 

 

 

・・・ちょっと待って下さい。

 

なら別に専門職でなくてもそこら辺の素人の方に白衣を着させてちょっと指導すれば済むことです。

 

我々は診療報酬を得る存在です。

顧客に価値を感じてもらえるサービスを提供する必要があります。

 

 

いつも前置きが長くなるのですが、ここからが重要です。

 

 

最初に申し上げたように、

身体の土台は肩甲骨と骨盤です(今日の記事では肩甲骨にフォーカスします)

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身体を固めている状態とは、大部分の対象者にとって

背中を丸めて背筋を必要以上に伸ばしている状態

と言い換えることができます。

 

このとき、

肩甲骨は外側にズレた状態となり、

そうした姿勢が続くほどズレが定着していきます。

 

背骨の曲がった高齢者も、軒並み肩甲骨が脱落した姿勢です。

 

 

先日、

上腕骨骨折後の高齢女性の治療中姿勢について伺うと、

「腰を悪くしてから背中が曲がった」

「もう何年も経つけど良くならん」

「長く歩くと疲れるから休み休みです」

という、典型的な円背症状でした。

 

この問題に対して、

脱落した肩甲骨(正しくは肩甲骨と体幹を繋げる筋肉)を修正したところ

明らかに姿勢がよくなり「歩きやすくなった」

と仰いました。

 

なお、

この方は他の施設でデイサービスを受けながらトレーニングも指導されるのですが、

一度も身体を触ってもらうことなく鍛えさせられていたそうです。

 

 

顧客が価値を得られるかどうかは我々の商品力次第です。

高齢であっても、

適切なフィジカルアセスメントによってパフォーマンスが改善する余地が必ずあります。

 

我々には顧客の人生の質がかかっていることを常に肝に命じながら、

専門職として知識と技術を磨く必要があります。

 

あなたがもし医療従事者であれば、

エクササイズというものに対して少し見方が変わる助けになれば幸いです。

 

http://salon-mizuki-rehabilitation.strikingly.com/