週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

首の痛みで寝られない!どう治療する?

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道・御調で唯一の疼痛専門セラピストです。

 

気付けば春がそこまでやってきていますが、

御調町の朝は相変わらず冷え込みます。

 

 

さて、

近年はパソコンやスマホの影響で、

首に慢性的なストレスを抱える人や

「ギックリ首」という問題も多くなってきました。

 

 

今日の記事は、

首の外傷がないにもかかわらず

「首が痛くて寝られなかった」という症状について考察していきます。

 

 

この話は、

腕と脚を同時に骨折したある患者さんの経験に基づいたものです。

 

 

脚を骨折すると、

暫くは「歩く」という動作が制限されます。

 

すると、

「体重を支える」という機能が衰えていくため

「予防」という視点でリハビリテーションが必要になります。

 

単純に考えれば、

脚の力をつけるための筋力トレーニング

ということになるのですが、

そもそも対象者は骨折という身体構造の破綻を来たした状態にある

ことを忘れてはなりません。

 

実際、

この患者さんは脛(すね)の骨折にも関わらず

「座ってると怪我した方のお尻が痛くなるんだよ」

と、受傷前にはなかった症状がすでに出ていました。

 

つまり、

外傷をきっかけに筋膜が引っ張られてお尻の筋肉が固くなり

物理的に加重を持続できない状態にある

と解釈できます(筋膜についての詳細はコチラ

 

 

その状態で更に筋トレをするとどうなるか?

 

硬さがどんどん拡散して上の方へと影響してきます。

 

しかし担当のセラピストは、

予防のためにと初日から脚に重りを巻いて筋トレをさせ続け、

数日後ついに・・・

 

「昨日の夜から突然首が痛くなって耳がズキズキ痺れて・・・」

「痛み止めも効かないから、もっと強いのないの?と聞いたら『これ以上強いのは麻薬しかない』と断られた。湿布もあちこち貼ってる」

 

 

なお、

この患者さんは腕も同時に骨折しているため、

担当セラピスト(理学療法士)は

「首の痛みは腕から来てますね、私はそっちは専門外なので作業療法士に診てもらってください」

と自分のメニューを疑うことなく続けます。

 

 

そして私の仕事はここから始まります。

 

元々痛みの強くなかった腕よりも、お尻の筋肉にターゲットを向けます。

 

なぜお尻から首に症状が出てくるのか?

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図に示したように、

お尻と首は脊柱起立筋

腰と肩は広背筋

で繋がっています。

 

 

すでに固くなっていたお尻の筋肉が、

これらの筋肉にも悪影響を及ぼすことで

「首が痛い」「肩が痛い」

という問題を二次的に発生させます。

 

つまり、

脊柱起立筋の出発点(お尻)のトラブルが終点(首)に症状を出現させる

ことが理論的に説明できます。

 

 

原因を鑑別出来れば、あとは検証作業です。

 

お尻の筋肉を緩めてニュートラルな状態に戻してあげることが出来れば、首の痛みが解消される

 

この仮説を基に、

私の治療は展開していきます。

 

そして、

お尻の筋肉の中でも特定の部位に触れていくと

「あ、そこすごく効きます」

と本人が自覚できるレベルの反応が出現し、

数分後には

「なんか首が楽になってきました」

と変化が生じます。

 

治療後、この患者さんはすぐに

「もう痛み止めは要りません」

と看護師に連絡されたそうです。

 

 

そろそろまとめに入ります。

 

外傷の有無にかかわらず、

痛みの原因を鑑別することが治療に繋がる

ことがお分かりいただけたことと思います。

 

ただし、

それにはプロとしての知識・経験が絶対的に不可欠です。

 

私はまだまだ修行中ですが、

筋骨格系のプロフェッショナルとして、

これからも皆様の笑顔のために専門性を研ぎ澄ませていきます。

 

ご相談などありましたらコチラ↓からお願いします。

http://salon-mizuki-rehabilitation.strikingly.com/