週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

ぎっくり腰とはどのような状態なのか?

今日もアクセスいただき、本当に有り難うございます。

 

寒い日が続きますが、自分の意思で始めた朝活はどうにか続けることができており、

多少は充実してきたような気にはなっている今日この頃です。

 

さて、

今日は「ぎっくり腰」という、

人によっては死活問題でコアなトピックスに触れいこうと思います。

 

言うまでも無く「やっちまった!」状態のアレですね。

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殆どの誘因が

「重いものを持ったとき」「身体をひねったとき」「中腰で力んだとき」

などから急性の腰痛症状を発生させるものです。

 

我々現代人は常に身体的・精神的ストレスにさらされながら生活していますが、

ある程度の負荷には柔軟に対応しながら生きています。

ただし、

そのストレスが蓄積して自分の容量を超えたとき、

何かしら目に見える症状として出現してくるのが病理です。

 

したがって、

このぎっくり腰と言われる急性腰痛も、

身体に過剰な負荷がかかった結果、

許容量オーバーした全身疲労状態として出現する

と解釈しています。

 

もちろん、

腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症など基礎疾患と起因とする、

神経原性の急性疼痛に関しては我々の管轄外であり、

直ちに整形外科を受診することをオススメします。

 

つい先日、

この全身疲労状態に限りなく近い症状を示した方にお会いしました。

 

体調が悪くて数日間寝たきりだった90歳のおじいちゃんは、

動けんことはないけど起き上がることにさえかなりの努力を要します。

 

1つ1つの運動に逐一疲労が伴うわけですから、

当然本人はすぐに横になりたがります。

 

家族としては

「しっかり動いてもらわんと・・・」

とお尻を叩こうとするのですが、本人の意思とは大分ズレがあります。

 

しばらくお話をしていると、

そのおじいちゃんは全身を緊張させて左の股関節~大腿部に今まで感じたことのないほどの痛み訴え始めました。

 

両手は震えており、

まともに痛いところを擦ることさえままならないほど全身を強ばらせ、

どうしていいか分からず家族もオロオロするばかりです。

 

それまで家族が本人を起こして座らせている様子を一部始終見ていた私は、

「先ほど起き上がった時に、上半身を支えるため大腰筋や殿筋を総動員した結果、過度の疲労を起こした

と直感的に判断しました。

 

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この状態で筋繊維が伸ばされる姿勢でいることは大変苦痛なため、

痛みの強い左側を上に横向きにさせ、身体を丸くさせた後、

殿筋及び大腰筋を触知しながら弱い伸張刺激をかける

という戦略を取ったのです。

 

すると、

しばらくして痛みは引き表情が穏やかになり、会話や寝返りが出来る程度に症状が改善されてきました。

 

家族も本人も(私も)ほっと一息つき、

改めて急に動くことへのリスク身体活動に対する準備の重要性が認識できた体験です。

 

 

「リハビリだから」

という全く科学的でない理由で、

むやみにストレス容量の低下した虚弱状態にある方への運動の強要は大変危険です。

 

しかし、

病院では「早期離床」「早期ADL(日常生活動作)」という一点張りから

こういった暴力的なリハビリが今日も推奨、横行していることはまぎれもない事実です。

 

重要なのは、

本人さまが本当に動ける状態にあるのか?

動くメリットとデメリットは何か?

専門家として何を優先するべきか?

を見極めることです。

 

お医者さんがやれと言っているから

病棟が期待しているから

 

など、

他者に責任を押しつけるのでなく自分の判断で考える責任が、セラピストにはあります。

 

少しテーマからずれた感がありますが、

ぎっくり腰という全身疲労状態を作らないための準備と、

筋疲労を起こした時の安楽な姿勢や筋組織への適度な刺激

が重要だと思っています。

 

筋骨格系のプロフェッショナル サロン美月では、

あなたの痛みを科学的な目で解釈し、

仮説に基づいて改善への戦略を提供いたします。

ぜひお気軽にご相談下さいね。

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