週末に本気を出す療法士

自分の目に映る「リハビリ難民」を西洋と東洋、双方向から診る療法士。セミナー寅丸塾を不定期で開催しながら、普段は家でも職場でも子どもに振り回さる会社員。

1日に何回「深呼吸」をしますか?

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道市御調町で唯一の疼痛専門セラピストです。

 

今日は肩こりに悩むあなたへ、

重要なセルフメンテナンスについてお話します。

 

 

人間は、

身体のどこかに不調を来たすと、

その部位を守ろうという防衛反応が働きます。

 

平たく言うと、その部位を「固める」ことで保護します。

 

したがって、

外傷の有無に関わらず運動機能が低下している状態とは

概ね「身体のどこかが固まっている」状態

と言えます。

 

 

腕を挙がるとき、

あなたは自分の肋骨がついてくるのを感じることができますか?

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腕に限らず、

人間の運動は「その部位だけの動き」で済むことは殆どなく、

常に土台として働く部位や連動する部位があります。

 

 

腕が挙がると、

脇の下の筋肉が最大限に伸張され、

胸郭と呼ばれる肋骨で囲まれた組織を持ち上げようとする力が発生します。

 

それによって、

「腕を上げると肋骨がついてくる」という感覚が発生します。

 

ただし、

私のお客さまのほとんどは

「そもそも筋肉が伸びない状態」

であるため肋骨が動く感覚など殆ど分かりません。

 

 

では、

腕が上がるとき以外にも肋骨が動く状況があるでしょうか?

 

 

はい、

深呼吸です。

 

 

胸郭は肋骨と肺(+心臓)、それらを繋げる筋肉でできており、

肺に空気をしっかり入れることで「胸を張る」ことができます。

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肩こりで悩まれるお客さまの殆どが、

肩をすくめた姿勢をとっており

「胸を張る」という運動を全くといってよいほどされていません。

 

 

1日に何回深呼吸をしますか?

と尋ねると

「・・・全然しないです」

と答える方がほとんどです。

 

 

したがって、

肩関連の問題を抱えるお客さまには、

まず胸郭の動きをつくっていくことから治療が始まります。

 

その上で、筋肉の伸張性や軽さにフォーカスします。

 

 

この事実を知らないと、

「痛くてもしっかり上げなさい」

「力が弱いからだよ。今から100回上げるよ」

 

などと根拠のない指導をすることになり、結果

「余計に固くなった」

「痛みが治まらない」

ということが医療現場でも普通に起こっています。

 

リハビリは今でも「頑張るもの」という認識ですが、

いずれこちらの無知から生じる患者さんの不利益は、

医療事故として認識されるようになるはずです。

 

そうならないように、

指導する側は正しい知識を身につけることが不可欠ですが

指導を受ける側も、

納得いかないことにはしっかりと意見を仰ってください。

 

腕が上がらないという現象に対して何を優先するべきか。

病院のブランドなどに拘らず、

信頼できる専門家を選ぶ勇気を持ってくださいね。

 

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与える者になる

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

尾道・御調で唯一の疼痛専門セラピストです。

 

自分をどう定義するか?

 今日はこのテーマについて、いつものように脱線しながら語っていきます。

 

長らく専門家として仕事をしていながら、

「自分が顧客に提供する利益とは何か」

を考えることがありませんでした。

 

「リハビリ」という単語を出せば無条件で顧客から信頼してもらえる

そんなおこがましさがどこかにあったからです。

 

 

「医者」「看護師」「弁護士」「税理士」etc・・・

 

これらは職業名であって、

具体的に何をもたらしてくれる存在かは

社会的な知名度

接触する機会の多さ

によって顧客の中に浸透していきます。

 

我々の存在は今でこそメジャーになりつつありますが、

それでも

理学療法士とか作業療法士

という職業名称からイメージするものは、

「リハビリってあれでしょ?マッサージとか筋トレするやつでしょ?」

 

程度の認識でおられる方がとても多いと感じます。

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まぁ実際こんな感じの練習はどこでも見かけますし、

「どれだけ頑張ったか」

「どれだけ負荷に耐えられたか」

を基準に動いているセラピストの方が多いのが現状です。

 

 

・・・最近とても疑問に感じること。

 

我々の診療報酬は20分で250点(2,500円相当)、

1時間トレーニングをすれば7,500円に相当します。

 

その場で金銭のやりとりをするわけではありませんが、

顧客は保険診療ながらもそこそこ高額な金額を出資した上で

「クタクタになる」

という不思議な現象が日常化しています。

 

ちなみに、

顧客のニーズは

「元気になりたい」「普通の生活がしたい」

であって、

決してムキムキになりたいわけではありません。

 

ただ、

病理を抱えた状態からどうやって改善するのか分からないから、

白衣を着た「専門家」と名乗る人に頼るしかないのです。

 

結果、

言われるがままになる訳ですが、

改善するかしないかは「努力次第」という認識に陥る

というのがリハビリ業界の現状です。

 

 

 

ある内臓疾患で繰り返し入院している患者さまは、

過去に脳梗塞を発症したことで右半身が痺れています。

 

しかし1日1000歩以上を目標に挙げられ、

律儀に実践しておられます。

 

ただ、

それを繰り返す内に

痺れが増強し足は重たくなり、すぐに息が上がるようになった

とおっしゃいました。

 

私が初めてお会いしたとき、

「リハビリはもう十分してきたから別にいいよ」

と半ば諦め気味な口調でしたが、

 

過去の経験を十分にお聴きした後に、

私は

「〇〇さんの希望は足が軽くなることですよね。

そしたらこれまでとは少し違った視点から、それを目指します」

と約束しました。

 

ちなみに、

痺れの原因は努力性の緊張から来る筋肉の強張りが慢性化し、

硬い筋肉が周囲や筋肉内の神経を圧迫しているためです。

 

痺れが慢性化している「元栓」の部位である、

大殿筋や小胸筋(詳しくは次回以降に紹介します)の緊張を抑制していくと、

 

「何か足が上がるようになった」

「腕も楽になってきた」

と変化を感じて頂けます。

 

結果、直接的に歩行訓練をすることなく

「足をひこずらんようになった」

「疲れにくくなった」

という運動の効率化を経験されることになりました。

 

 

こういった「ボタンの掛け違い」のような事象は、

病院の中だけでなく地域社会でもたくさんあります。

 

 

これらを踏まえて、

自分が顧客に提供する利益とは

 

痛み止めを手放せない地域の方が、それらを卒業して幸せに生活すること

安心して相談できる窓口になること

 

これが専門家としての究極的な使命であり、

決してブレないビジョンです。

 

もちろん、

到達出来るかどうかはともかく、

その実現に向かって1歩ずつ進んでいくことが重要だと思っています。

 

 

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治療を実施するにはまず評価が必要!

今日もアクセスいただき、本当にありがとございます。

尾道で唯一の疼痛専門セラピストです。

 

すごく基本的なことかもしれませんが、

我々が体調を崩してお医者さんにかかるとき、

いきなり薬を渡されることはまずありません。

 

問診があって診察、血液検査、レントゲンなど・・・

病院に行けば色々な検査を受けることになります。

 

理由は、当然「原因を特定するため」ですね。

 

原因を特定することができて初めて「治療」が成立します。

 

そして、

我々の領域でも全く同じことが言えます。

 

痛みを抱える対象者に対して、原因を評価する。

「首が痛いのだから首が原因じゃないか」

「腰が痛いのだから腰が原因じゃないか」

と思われるかもしれません。

ただ、

それならば首や腰をマッサージすれば改善するはずですよね。

 

しかし、

実際には全く改善しない。

 

なぜなら、首が痛い原因が別の場所にあるからです。

 

 

頸椎症で手術後、

首の痛みや痺れが続き「腕が上がらない、上げようとすると痛い」という患者さまにお会いしました。

首を手術している訳ですから、当然首(頸椎)に機能障害があります。

 

ただし、

触診をしていくと肩から指先まで全体がガチガチに硬くなっています。

 

そこで、

親指の付け根の「ある部分」を捉えてゆっくりと腕を上げてもらいました。

 

すると、

「あれ、腕が上がるね」「あんまり痛くない」

と驚かれます。

 

何が起こったかというと、

筋膜を利用して短縮した筋肉を一時的に伸張させ、

腕を上げるために必要な引っ張る力が出せるか

を確保したというわけです。

 

つまり、

「腕が上がらない、痛い」という現象に対して、

腕全体の筋肉の強ばりや短縮が原因であり

親指の緊張を上手くコントロールすることで最小限の努力で腕を上げられる可能性がある

という治療仮説が成立します。

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実際、

この方の掌は踵のような皮膚の状態で非常に強張っていました。

 

治療提供後、

「楽に上がるようになった」

という満足感のある結果を得ることができました。

 

 

リハビリという空間は、

どうしてもその性質上「頑張らないといけないもの」「鍛えること」

という世間一般的なイメージが強すぎます。

 

同じ病院内のスタッフですら、

「リハビリじゃけぇ頑張るのよ」

と口を揃えて患者さんを説得しています。

 

これをご覧になったあなたには、

適切な評価(現象→原因→仮説)が治療につながること、

治療には必ずしも努力を必要としないこと

をご理解いただきたい

と切に想っております。

 

適切な治療に当たるためには

評価のための時間が必要になります。

 

肩こり、腰痛でお悩みの方は、

お気軽にご相談下さいね。

 

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痛み予防の難しさ

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

  

仕事をしていて最も嬉しく感じるのは、

患者さんの痛みがいつの間にか消えて

「楽になったんですよ」

と笑顔でお話して下さる瞬間です。

 

痛みという緊急かつ重要な問題に対して、

適切な評価と最適な戦略を用いて改善に導く

という緊張感のある作業は、

私の専門家としてのアイデンティティとして揺るぎないものになりつつありますし、

まだまだお客様から教わること・気付かされることも多いです。

 

 

さて、

お客様の抱える痛みが改善すれば、

ひとまずお客様は満足して一旦「卒業」ということになります。

 

もちろん、

そのまま痛みのない状態が持続すれば言うことはないのですが、

人間は運動パターンや姿勢・重心の取り方など、

どうしても痛みのきっかけになっていたであろう以前のクセが出るものです。

 

したがって、

日常生活の中で微細な損傷や局所的な筋疲労が蓄積されやすく、

ある一定量を超えたとき

再び痛みとして表面化されてくることが多くあります。

 

このとき、

やはり筋骨格系の問題として適切に対応する必要があります。

ただし、

その場合は以前と類似した問題が浮上しやすいため、改善に導くことは比較的容易になります。

 

重要なのは、

筋疲労や微細な損傷が蓄積していかないよう予防していくことだと思いますが、

緊急を要する問題でなければ人間はおろそかになりやすいものです。

 

私の臨床では、

痛みの原因をしっかりと評価した上で効率的な運動を確保していきます。

 

つまり、

筋疲労や損傷をおこしやすい部位をお客様と共有することを重視しているということです。

 

したがって、

お客様は自分の問題点を把握し普段から工夫するべきことを持ち帰って実践してただくことができます。

 

こうした取り組みがあなたを最短で痛みの無い状態に導き、

それが持続することで高い価値を感じていただける要員の一つです。

 

現代人の抱える「痛み」は思ったよりも深刻です。

当方では、

無料で痛みに関するお悩みの相談をお受けしています。

お気軽にご相談くださいね。

 

 

痛みの原因を探求する

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

 

早朝から仕事に集中するのはとても気持ちよいなと感じますが、

時々子供まで一緒に起き出して泣いてしまうこともあります。

怖い夢でも見たのでしょうか?

 

それはともかく、

今日も健康に気を配っておられる皆様に役立つ情報を発信していきます。

 

 

現時点で私はまだ修行中の身であり、

患者さんの問題に全力で向き合うことで

プロフェッショナルとしての爪を研いでおります。

 

 

 他病院から移ってこられた患者さんの中に、

「向こうではとにかく立って棒にしがみついてました」

「他には・・・足が痛いと言ったらちょっと擦ってもらうくらいでした」

という訓練を受けていたという方がいらっしゃいます。

 

実はこの方は、

いわゆるがん患者さんで体力は相当に低下しています。

 

以前の病院でトレーニングをしていたにも関わらず、

両足は動きますが痛みが強くてまともに上げられず、

ベッドから起きて足を下ろす時ですら手で足を運ぶような運動パターンを選択しています。

 

果たしてこの患者さんの問題は何なのか?

 

 

・・・言うまでも無く「痛み」です。

 

なぜか、

我々はプロであるはずなのに

「痛くても動かないといけませんよ」

「動かないから痛いんですよ」

という、

根拠の疑わしい安易な考え方で、

リハビリという名の苦痛を患者さんに与えがちです。

 

この方の場合も、

やはりその考え方に基づいた、

「見た感じ頑張ってる」だけのトレーニングが実施され、

結果的に苦痛が増悪していました。

 

 

では、

そろそろ何をどうすればよいのか

を考えていきましょう。

 

「足を上げると激痛が走る」

「座っててもお尻が痛くなって我慢できない」

 

この記述から、

足を持ち上げるの筋肉と、お尻の筋肉の状態はどうなっているのか?

という疑問を真っ先に持ちます。

つまり、

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以前にも紹介しました、

大腰筋と殿筋に再び登場していただきます。

 

足を曲げる(上げる)時には大腰筋が働きますが、

足が曲がるに従ってお尻は伸びていく

ことが想像できると思います。

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従って、

大腰筋が異常に緊張していたり、 殿筋が硬くなったりすることで

正常な伸び縮みが出来なくなり

「足を上げると痛い」

という現象が起こりますし、

 

常に地面に接触する殿筋の弾力が乏しければ

「お尻が痛くて座っていられない」

という現象が起こります。

 

このメカニズムから、

大腰筋の問題なのか殿筋の問題なのか、

あるいは両方の問題なのかを鑑別した上で、

治療ターゲットを選択します。

 

この患者さんの場合は、

どちらの筋肉も機能障害を起こしていましたが

特に殿筋の短縮が著しく、

「座っておくこと」に留まらず身体の土台として機能していない状態であると判断しました。(問題は他にもありますが、今回はそれ以外には触れず殿部の問題として進めていきます)

 

殿筋を上手く使える(伸ばせる)ように、

楽なポジションから殿筋の緊張を取り除く作業に入ります・・・

 

そうすると、

「楽に足が上がるようになった」

「座っても痛くないです」

という変化が生じました。

 

患者さんは痛みが劇的に軽減したことに驚かれますが、

そもそも本来の希望は「痛み無く楽に過ごしたい」です。

 

 

「痛み」という主観的な問題に対して

「動かないから当然だ」とか「我慢して力をつけなさい」

などと根性論で患者さんを責め立てても何一つ解決しません。

むしろ悪化します。

実際、この方も前病院ではかなり辛かったそうです。

 

薬を飲めば一時的には収まりますが、それは一時しのぎです。

 

もちろん、

セラピストが対処できる痛みとそうでない痛みはありますが、

 

プロである自分にしか解決出来ない痛みの原因を探る

という努力を絶やしてはいけないと信じています。

 

 

「痛くても動きなさい」

「年だからしょうがない」

「力が無いから痛い」

 

このような問題に直面されている方、

納得いかない治療を受けておられる方・・・

一度お気軽にご相談下さい。

 

 

西洋医学と病院神話

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

 

お客様から、

「もっと短い間隔で来られたらいいのに・・・」

という嬉しいお言葉をいただきました。

 

それだけ高い価値を感じていただけているという認識の現れで、

自分としてもやりがいを感じる瞬間です。

 

 

 こうして地域のお客様と接触するようになって感じることですが、

慢性的な痛みを抱えている方ほど、

「病院」という組織に不満を持たれている傾向があります。

 

つまり、

「ここが痛いんです」

→「あぁ、もう年ですからね」「痛み止め出しときますよ」

 

その後・・・

「先生、全然痛みが治まらないです」

→「じゃあ薬を多めに出します」

 

という流れが殆どのようです。

漫然と薬代がかさんでいく一方で、

問題を探求するということが殆どありません。

 

 

西洋医学は確かに医療の質を底上げし、

救命や治療出来る疾患が劇的に増えたことは間違いありません。

ただし、

「痛み」という主観的な世界に対して、

その本質を理解するにはこれまでとは違った見方がどうしても求められます。

(→詳しくはこちら

 

現在の医療保険の諸事情と、

専門的なスキルを持った人材の致命的な不足から

明らかな外傷や術後でも無い限り、

病院ではほぼ対応してもらえないのが現状です。

 

 

病院の中ではセラピストの立場は決して高いとは言えず、

どんなに疑問を抱いても、

医者の指示がなければ何もできません。

 

 

私がこうしてサロンを開いている理由は、正にそこにあります。

 

ここではあくまでもパーソナルトレーナーという枠組みで指導をさせていただいておりますが、

筋骨格系のプロフェッショナルという誇りと倫理観を常に持ち続けています。

 

 

年齢に関係なく、

あなたの痛みは改善出来る可能性があります。

 

原因がよく分からないまま痛み止めや湿布に費やしていた大切なお金を、

疼痛専門家による個別性のあるエクササイズに投資してみませんか?

 

気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

salon-mizuki-rehabilitation.strikingly.com

 

 

 

足を上げやすくするにはここを使え!

今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。

 

多忙さを理由に最近ブログの更新がおろそかになっていますが・・・

走り続けることに決めた以上、甘えたことは言えません。

 

弱気は最大の敵

と、故 津田恒美投手(私広島カープバカです)

もおっしゃっていました。

 

 

さて、

お客様の中には、

比較的若い方でも色々な事情からしばらく寝たきり状態で殆ど動いていない、

いわゆる「廃用症候群

と一括りに扱われる状態の方も多いのですが、

 

ほぼ全員が

「足の力が弱った」

「歩けないから何とかしてください」

といった具合です。

 

確かに、

誰が見ても足が重そうで足が立たない=下肢の筋力低下

ですから、

一般的にリハビリテーションと称して展開されるのは

「足に重りをつけて動かす」

「セラピストが足の動きを介助する」

「何度も立ち上がる練習をする」

 

といった作業になります。

 

 

・・・ちょっと待ってください。

我々はプロフェッショナルです。

 

そんな誰でも思いつきそうなトレーニングでいいんですか?

 

 

運動機能が弱化して身体のトータルバランスが崩れた結果

「足が立たない」

という現象が起きていますから、

「身体を支える」

という要素について我々はしっかり考えなければなりません。

 

 

「横隔膜」という組織をご存じでしょうか?

胸部と腹部を隔てる、

呼吸(特に腹式呼吸)機能に非常に深く関係している筋肉の一種です。

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これが身体を支えるのとどう関係するのか?

 

息を吸うとき、

胸にしっかり空気が入るように横隔膜は下へ下がって胸腔を広げようとします。

同時に、

腹部には圧縮されるような力が働き、「腹圧」がかかった状態になります。

 

我々も背筋を伸ばして座るとき、

自然と息を吸いながら伸ばそうとしますし

普段猫背の方でも腹筋が硬くなるのが分かると思います。

 

しばらく寝たきりだったお客様は、

軒並みこの「伸ばす動き」ができません。

 

つまり、

横隔膜が機能不全に至り腹圧がかからなくなったことで、

土台である体幹のレベルで抗重力活動が困難になっている

 

という結論付けることができます。

 

 

全員が当てはまるという訳ではありませんが、

横隔膜の働きを確認するために肋骨の動きを触診すると、

左右差があったり両側とも殆ど動きがなかったりします。

 

 

前置きが長くなりましたが、ここからがポイントです。

 

横隔膜の動きが悪い方に対して、

肋骨の動きを援助しながら足を曲げていただくと、

「あれ、さっきより足が軽い」

と感じられる経験がしばしばあります。

 

どういうことかというと、

肋骨を引き上げることで胸腔が広がり意図的に腹圧を作り、

土台である体幹の安定性を高めた

というわけです。

 

その状態で股関節の運動効率が上がるのが自覚出来る方であれば、

間違いなく問題は横隔膜にあります。

 

つまり、

土台の問題を無視して足をガシガシ動かす練習をしても

砂の上に城を造ろうとしているようなもので、

 

「とにかく疲れる」割には「あんまり効果がない」

→「もっと頑張りなさい」

→「足がパンパンになって辛いです」「もう嫌だ」

 

という事態になりかねません。

というか実際にそうなっている方を病院では何人も見てきました。

 

 

我々の仕事は、

プロフェッショナルとして如何にお客様に価値を感じていただけるか

によって周囲の認識も変わっていくのだと信じています。

 

今日は横隔膜という土台の重要性についてお話させていただきました。

他にも身体について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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